1月:初詣、初場所、ボロ市
1年は静かに始まります。三が日は個人店や小さな飲食店の多くが休み、明治神宮や浅草寺、神田明神には初詣の人が詰めかけます。1月2日は皇居で新年一般参賀があり、上旬には消防の出初式で、はしご乗りの妙技が披露されます。第2月曜日は成人の日で、振袖やスーツ姿の若者が区の式典会場や神社に集まります。
中旬には両国国技館で初場所が始まり、400年以上の歴史をもつ世田谷のボロ市が12月に続いて1月15日・16日に開かれます。イルミネーションも多くは1月中まで続きます。空気が乾いて晴れの日が多く、高い場所からは富士山がよく見える季節です。
2月:節分の豆まきと梅
節分はたいてい2月3日で、旧暦では春を迎える前の日にあたります。浅草寺、増上寺、池上本門寺、神田明神などでは豆まきが行われ、年によっては力士や芸能人が豆や福袋を参拝客にまきます。スーパーやコンビニには、その年の恵方を向いて黙って食べる恵方巻が並びます。
まだ寒いうちに梅が咲き始めます。学問の神様をまつる湯島天神では梅まつりがあり、世田谷の羽根木公園でも数百本の梅が楽しめます。バレンタイン前には百貨店のチョコレート催事がにぎわい、イルミネーションも最後の時期です。1年でもっとも寒い時期なので、美術館や屋内の公演を予定に入れるのもおすすめです。
3月:東京マラソン、ひな祭り、桜の開花
東京マラソンは近年、3月上旬の日曜日に開催されています。コースは浅草、銀座、東京駅などを通り、沿道のあちこちで無料で応援できます。3月3日のひな祭りには、家庭や百貨店にひな人形が飾られます。月末には世界最大級のアニメイベントAnimeJapanが長く東京ビッグサイトで開かれ、制作会社のブースやステージ、限定グッズ目当ての人でにぎわってきましたが、2027年と2028年はインテックス大阪での開催です。
桜は例年3月後半に開花し、気象庁が靖国神社の標本木で開花を発表してから1週間ほどで満開になります。公園はお花見の人でいっぱいになり、目黒川沿いには提灯が並びます。春休みも重なるので、ホテルは早めの予約が安心です。
- 開花予想は毎週更新されます。日にちを1日に決め打ちせず、数日の余裕をもって計画しましょう。
- 人気の公園の芝生は朝のうちに場所が埋まります。土曜より平日のお花見のほうがずっと落ち着いています。
4月:散り際の桜、つつじ、ゴールデンウィーク
多くの年は3月末から4月初めに桜が見ごろを迎え、1〜2週間で散りますが、八重桜などの遅咲きは4月中旬まで楽しめます。4月1日は新年度の始まりで、上旬は歓迎会のお花見も多くなります。桜のあとはつつじの番で、文京区の根津神社では約3,000株のつつじが社殿裏の斜面を彩る「文京つつじまつり」が開かれます。
4月中旬ごろからは江東区の亀戸天神で藤が咲き始め、池の向こうに東京スカイツリーが見えます。気候が穏やかで雨も少なく、代々木公園の週末イベントや各地のマーケットにぴったりの時期です。4月29日からはゴールデンウィークが始まり、電車や行楽地、人気スポットは一気に混み合います。
5月:神田祭、三社祭、夏場所
ゴールデンウィークは5月5日のこどもの日まで続き、川やベランダにこいのぼりが泳ぎます。5月中旬は下町の祭りがいちばん盛り上がる時期です。江戸三大祭のひとつ神田祭は秋葉原近くの神田明神の祭りで、神幸祭などの大きな行列は奇数年の本祭りで行われます。5月第3週末には浅草で三社祭があり、約100基の町内神輿が街を練り歩き、ものすごい人出になります。
中旬には両国で夏場所が始まります。藤は5月上旬で終わり、下旬になると旧古河庭園などの洋風庭園でバラが咲きます。夏の蒸し暑さがまだない5月は、街歩きや屋外のフードフェスにいちばん向いた季節のひとつです。
6月:梅雨、あじさい、山王祭、Tokyo Pride
梅雨入りは例年6月上旬ごろで、梅雨明けは7月中旬から下旬です。毎日雨というわけではありませんが、屋外の予定には雨の日の代案を用意しておきましょう。そのかわりにあじさいがきれいな季節で、文京区の白山神社ではあじさいまつりが開かれ、鎌倉の明月院は行列ができるほどの名所です。葛飾区の堀切菖蒲園や明治神宮御苑では花菖蒲が見ごろになります。
赤坂の日枝神社の山王祭は6月中旬に行われ、隔年の偶数年には王朝装束の行列と神輿が都心を巡ります。NPO法人東京レインボープライドが主催するTokyo Prideは、プライド月間に合わせて2025年から開催時期を4月から6月に移し、代々木公園でのフェスティバルと渋谷・原宿のパレードが行われています。
- 6月は折りたたみ傘を持ち歩くのが基本です。忘れてもコンビニで手ごろな傘が買えます。
- あじさいは小雨の日のほうがきれいに見えます。曇りの日こそ庭園へ。
7月:七夕、提灯、隅田川花火大会
7月7日は七夕で、短冊に願いごとを書いて笹に結びます。商店街や駅に飾りつけが登場し、浅草近くのかっぱ橋周辺では「下町七夕まつり」が開かれます。7月上旬には台東区で植物の市が続き、入谷の朝顔まつりと、7月9日・10日の浅草寺のほおずき市がにぎわいます。
中旬には靖国神社で、数万の提灯が灯るみたままつりが行われます。梅雨が明けると本格的な暑さになり、屋上のビアガーデンもオープンします。7月最後の土曜日は都内でもっとも有名な隅田川花火大会で、浅草や川沿いに100万人近い人が集まります。月末になると、公園や寺の境内で盆踊りが始まります。
8月:花火、阿波おどり、コミケ
8月は夏祭りのピークです。第1土曜日には江戸川区や板橋区の河川敷で大きな花火大会があり、8月中旬のお盆の前後には各地で盆踊りが開かれます。お盆は帰省する人が多く、都心は少し静かになります。江東区の深川八幡祭りは、担がれる神輿に沿道から水を浴びせる「水かけ祭り」として知られ、3年に一度の本祭りはとくに大規模です。
同人誌即売会のコミックマーケット(コミケ)は8月中旬に東京ビッグサイトで開かれ、同じころ千葉の幕張ではロックフェスのSUMMER SONICが行われます。月末はにぎやかに締めくくられ、8月最後の週末には東京高円寺阿波おどりに大勢の踊り手が集まります。近年は浅草サンバカーニバルや原宿のスーパーよさこいも8月下旬の週末に開かれています。
- いちばんの注意点は暑さです。水を持ち歩き、屋外は夕方以降を中心に、こまめに冷房の効いた店で休みましょう。
- 縁日の屋台は現金のみが多く、ゴミ箱も少なめです。小銭とゴミ袋を持っていくと安心です。
9月:秋場所、秋祭り、東京ゲームショウ
9月も暑さはしばらく続き、台風が多い時期でもあるので、屋外イベントは直前に変更になることがあります。中旬には両国国技館で秋場所が開かれます。週末には各地の神社で秋祭りがあり、東京タワー近くの芝大神宮では、9月11日から11日間続く「だらだら祭り」が行われます。日本一長い祭りといわれています。
9月後半には世界最大級のゲームイベント東京ゲームショウが千葉の幕張メッセで開かれ、前半がビジネスデイ、週末が一般公開日です。敬老の日と秋分の日の前後は、年によって連休が重なり「シルバーウィーク」と呼ばれます。中秋の名月のころには、庭園でお月見の催しがあり、和菓子店には月見団子が並びます。
10月:ハロウィン、コスプレ、ラーメン、古本
10月は過ごしやすさが戻り、週末の公園はイベントでいっぱいです。東京のハロウィンには2つの顔があります。かつてスクランブル交差点に人があふれた渋谷は、今はハロウィン目的で来ないよう呼びかけており、近年は駅周辺で毎晩18時から翌朝5時まで路上での飲酒を禁止しています。一方、主催者のいるイベントとしては、池袋のサンシャインシティ周辺で開かれる池袋ハロウィンコスプレフェスがあり、例年10月最後の週末前後に行われる国内最大級のコスプレイベントです。
食べ歩き派には、10月下旬から11月上旬に駒沢オリンピック公園で全国の人気店が集まってきた東京ラーメンフェスタがおなじみです。次回の会場と日程は公式サイトで確認してください。同じころ古書店街の神保町では、靖国通り沿いに本棚が並ぶ神田古本まつりがあり、東京国際映画祭も都心で開かれます。日帰りなら、10月第3週末の埼玉・川越まつりで、蔵造りの町並みを山車が進む様子が見られます。
11月:紅葉、酉の市、イルミネーションの始まり
11月は晴れて空気が澄み、外歩きにいちばんいい月のひとつです。高尾山の紅葉は11月中旬ごろから、都心の庭園は11月下旬から12月上旬が見ごろで、神宮外苑のいちょう並木や六義園は定番です。新宿御苑、明治神宮、湯島天神では菊の展示があり、11月15日前後には晴れ着姿の子どもを連れた七五三の家族で神社がにぎわいます。
11月の酉の日(例年2回、年によって3回)には、浅草の鷲神社や新宿の花園神社で酉の市が開かれ、商売繁盛の縁起熊手が売れるたびに威勢のいい手締めが響きます。イルミネーションは11月上旬から中旬にかけて六本木、丸の内、汐留などで点灯し、月末にはクリスマスマーケットも始まります。
12月:イルミ、マーケット、コミケ、大晦日
12月はイルミネーションとクリスマスマーケットの月で、明治神宮外苑、六本木ヒルズ、横浜赤レンガ倉庫のマーケットがよく知られています。日本のクリスマスイブは家族よりも恋人同士で過ごす夜という色が濃く、忘年会シーズンで居酒屋も終電も混み合います。昔ながらの市も続き、12月15日・16日は世田谷のボロ市、12月17日から19日は浅草寺の羽子板市で、縁起物の羽子板を売る屋台が並びます。
下旬には幕張メッセでジャンプフェスタやロックフェスのCOUNTDOWN JAPANが開かれ、年の瀬には冬のコミケが東京ビッグサイトに戻ってきます。会社が年末年始の休みに入り、大晦日の夜には各地のお寺で除夜の鐘が108回つかれます。そしてまた、1月の初詣から新しい1年が始まります。