花の日帰り旅の計画
月ごとに挙げると、1月は房総の水仙、2月は小田原の曽我梅林、2月下旬から3月上旬は水戸の偕楽園、3月下旬から4月上旬は権現堂の桜と菜の花、4月中旬から下旬は羊山公園の芝桜とひたち海浜公園のネモフィラ、4月下旬から5月上旬は足利の藤。6月は鎌倉と箱根のあじさい、7月は河口湖のラベンダー、7月下旬から8月中旬は明野や座間のひまわり、9月中旬から下旬は巾着田の曼珠沙華、10月はひたちのコキアと日光の紅葉の始まり、11月はくりはま花の国のコスモスと箱根・高尾の紅葉です。
開花は天候によって1、2週間前後し、暑い年が続いて秋の花が遅れることも増えています。まつりの日程は何か月も前に決まるので、出かける数日前にはポスターではなく現地の開花情報を確認しましょう。どこも平日のほうが落ち着いていて、見頃の週末は朝いちばんの電車に乗る価値があります。花の時期だけ入園料がかかる所や、開花状況で料金が変わる所もあります。
海外から来る友人や家族を案内するなら、外国のパスポートを持つ旅行者向けのフリーパスが使えます。JR東日本の「JR東京ワイドパス」は3日間、関東のJR線と富士急行線などの一部路線に乗れ、水戸、勝田、あしかがフラワーパークはパスの範囲内のJR駅です。韮崎などさらに遠い駅は、利用前にエリアマップで確認してください。「SEIBU 1Day Pass」は、巾着田の最寄りの高麗や、羊山公園に近い西武秩父までの西武線に乗れますが、特急ラビューの特急券は別に必要です。どちらも対象エリアを事前に確認してください。
- 「地名+開花情報」で検索すると、公式の開花状況のページが見つかりやすくなります。
- 見頃の週末は、勝田駅や水戸駅、鎌倉駅のコインロッカーが早い時間に埋まります。
1月から3月:水仙、菜の花、梅
冬の行き先なら千葉の南房総です。鋸南町では12月から1月下旬にかけて江月水仙ロードのあたりの山肌を野生の水仙が覆います。JR内房線の保田駅からタクシーを使うと便利です。1月上旬から3月中旬は、千倉の白間津のお花畑でストックや菜の花などの花摘みができ、館山から和田へ続く海沿いの房総フラワーラインには菜の花が咲きます。館山までは東京からJRか東京駅発の高速バスで約2時間。海沿いを回るなら車が楽です。
水戸の偕楽園は、1842年に水戸藩主徳川斉昭が開いた日本有数の梅の名所で、約100品種3,000本の梅があります。「水戸の梅まつり」は2月中旬から3月中旬または下旬まで開かれ、藩校だった弘道館にも梅が咲きます。上野、東京、品川から特急で水戸まで約70分から80分。まつり期間中の土日祝日と一部の平日には、常磐線に臨時の偕楽園駅が日中だけ開設され、下り列車のみ停車し、東門まで数分です。梅まつりの期間中は全員が有料で、2026年は大人500円でした。
東京に近い小田原の曽我梅林は、梅干し用の梅を育てる実際の梅畑で、約35,000本が咲きます。晴れた日には富士山も見えます。「小田原梅まつり」は例年2月上旬から3月上旬。JR東海道線で国府津へ行き、御殿場線に乗り換えて1駅の下曽我駅から徒歩15分から20分、全体で1時間半ほどです。
- 臨時の偕楽園駅は東京から離れる下り列車しか停まりません。帰りは水戸駅まで歩くかバスを使いましょう。
- 曽我梅林の梅畑は農家の畑です。道から外れず、枝や実を取らないようにしましょう。
3月下旬から5月:桜と菜の花、芝桜、ネモフィラ、藤
埼玉県幸手市の権現堂公園では、約1,000本のソメイヨシノが約1kmの堤に桜のトンネルをつくり、すぐ隣に黄色い菜の花畑が広がります。例年3月下旬から4月上旬、幸手桜まつりの頃に両方が見頃を迎えます。浅草から東武線で幸手駅まで約1時間、そこから徒歩30分ほどか、バスで近くまで行けます。6月にはあじさい、9月下旬には曼珠沙華も咲きます。
4月中旬から下旬は、首都圏を代表する二つの花畑の季節です。秩父の羊山公園では、40万株を超える芝桜がピンク、白、紫の縞模様を描き、背後に武甲山がそびえます。池袋から西武の特急ラビューで約80分、駅から上り坂を15分から20分歩きます。茨城の国営ひたち海浜公園では、約530万本のネモフィラがみはらしの丘を空色に染めます。見頃は例年4月中旬から下旬、5月上旬まで。2026年は例年より早く4月中旬に見頃を迎えました。開花期間は季節料金が加算されます。常磐線の勝田駅からバスで約15分です。
4月中旬から5月中旬は、栃木のあしかがフラワーパークで「ふじのはな物語」が開かれます。大きな棚いっぱいに広がる大藤、白藤のトンネル、夜のライトアップが見どころです。入園料は花の咲き具合で変わり、藤の時期は1枚の入園券で昼もライトアップも見られます。JR両毛線のあしかがフラワーパーク駅から数分で、東京からは小山経由で約2時間。シーズン中は首都圏の各方面から全車指定席の臨時直通列車も走ります。2026年は開花が早く、夜のライトアップが予定より前倒しで始まりました。
- 三か所ともゴールデンウィークがいちばん混みます。ひたち海浜公園はゴールデンウィークの一部の日に早朝開園をしており、丘をいちばん落ち着いて見られる時間です。
- あしかがフラワーパークは、日中よりも夜のライトアップのほうが空いていることがよくあります。
6月から8月:あじさい、ラベンダー、ひまわり
6月はあじさいの季節です。鎌倉には明月院と、見頃に時間指定のチケットが必要になってきた長谷寺のあじさい路があり、箱根では登山電車が6月中旬から7月にかけてあじさいの間を走り、夜はライトアップもされます。詳しくはあじさい・花菖蒲のガイドをご覧ください。
7月は河口湖北岸の大石公園で「富士河口湖ハーブフェスティバル」が開かれ、湖畔に並ぶラベンダーの向こうに富士山が見えます。ラベンダーの見頃は例年7月上旬から中旬で、入園は無料です。新宿から特急「富士回遊」で河口湖まで約2時間、新宿発の高速バスもあり、駅からは周遊バスで湖を回れます。夏は昼前にかすんで富士山が見えなくなることが多いので、朝早めに行きましょう。
ひまわりなら、山梨県北杜市の「明野サンフラワーフェス」。南アルプスと富士山を望む高原に数十万本のひまわりが咲き、例年7月中旬か下旬から8月中旬まで開かれます。入場無料です。新宿からJR中央線の特急で韮崎まで約2時間、そこからバスで25分ほど。もっと近い神奈川県座間市でも、相模川沿いの畑に約55万本のひまわりが咲きます。2026年は8月中旬の3日間の公開で、小田急線相武台前駅から臨時シャトルバスが出ました。新宿から相武台前までは約45分です。
- ひまわり畑には日陰がほとんどありません。帽子、水、日焼け止めを持って、暑さが本格的になる前の午前中に行きましょう。
9月と10月:曼珠沙華、コスモス、コキア
9月下旬、埼玉県日高市の巾着田では、高麗川が大きく曲がって囲む約22haの平地に、約500万本の曼珠沙華が水辺の木立の下を赤く染めます。例年秋のお彼岸ごろに咲き始め、10月上旬まで楽しめます。「巾着田曼珠沙華まつり」の期間は入場料500円(2026年時点)で、中学生以下は無料です。西武池袋線高麗駅から徒歩約15分、池袋から約1時間で、シーズン中は西武が列車を増発し、一部の特急ラビューも高麗駅に停まります。10月には同じ巾着田にコスモス畑も広がります。
10月はひたち海浜公園のコキアの季節です。夏は緑色の丸いコキアが、10月中旬ごろに真っ赤に紅葉し、1週間から10日ほど見頃が続きます。周りにはコスモス畑も広がり、見頃の時期はここでも季節料金がかかります。東京寄りで大きなコスモス畑を見るなら、横須賀市のくりはま花の国。約100万本が咲き、京急久里浜駅から徒歩約15分です。2025年は生育が遅れてコスモス園の公開が11月にずれ込んだので、先に開花情報を確認しましょう。
- 曼珠沙華は見頃を過ぎると数日で色あせます。開花情報に「見頃」と出たら、その週のうちに行きましょう。
10月下旬から12月:紅葉と冬の光
紅葉は山から始まります。日光では、まず中禅寺湖やいろは坂のあたりが例年10月中旬から下旬に見頃を迎え、11月前半に二社一寺のある町なかへ下りてきます。浅草から東武の特急で約2時間。秋の週末のいろは坂は何時間も渋滞することがあるので、朝早くか平日に上りましょう。
11月になると紅葉は箱根や、新宿から京王線で1時間かからない高尾山へ移り、11月下旬から12月上旬には都内の庭園に届きます。その頃、花の公園は光の季節に切り替わります。あしかがフラワーパークでは10月中旬から2月中旬までイルミネーションが開かれ、12月には房総の水仙がまた1年の始まりを告げます。
- 日光はできるだけ早い電車で行き、先に奥日光を回って、午後に町の社寺へ下りてくると効率的です。