アクセス:特急ラビューとお得なきっぷ
西武の特急ラビューは池袋駅から西武秩父駅まで約80分。全席指定で、運賃とは別に特急券が必要です。特急券は1か月前から駅や西武のチケットレスサービス「Smooz」で買えます。普通列車は時間がかかり、たいてい飯能で乗り換えます。西武秩父駅から秩父鉄道の御花畑駅までは歩いて5分ほどで、秩父鉄道は長瀞を通って三峰口まで走っています。
西武は、外国のパスポートを持つ人向けに西武線全線が1日乗り放題のSEIBU 1Day Passと、秩父鉄道の野上から三峰口の区間を加えた長瀞版を販売しています。誰でも買える秩父フリーきっぷは、西武線の割引往復に、秩父周辺と同じ秩父鉄道の区間の2日間乗り放題が付きます。いずれも特急券は別料金です。JRパスを使う場合は、JRで熊谷まで行き、秩父鉄道に乗り換えます(秩父鉄道は別料金)。
- ラビューは行きだけでなく帰りも予約を。祭りや芝桜の見頃の日は、帰りの特急も満席になります。
- 西武秩父駅に隣接する「西武秩父駅前温泉 祭の湯」には温泉とフードコートがあり、帰りの電車の前に便利です。
12月2日・3日の秩父夜祭
秩父夜祭は秩父神社の例大祭で、江戸時代の寛文年間(1660年代)には祭りがあった記録が残り、京都の祇園祭、飛騨の高山祭とともに日本三大曳山祭のひとつに数えられます。2016年には「山・鉾・屋台行事」のひとつとしてユネスコ無形文化遺産に登録されました。笠鉾2基と屋台4基の計6基の山車は国の重要有形民俗文化財で、提灯と彫刻で飾られ、屋台の両側に張り出した舞台では屋台歌舞伎が演じられます。
12月2日の宵宮は、4基の山車が市内を曳き回され、夜の早い時間に花火が上がります。12月3日の本祭は朝から6基がそろい、午後7時過ぎに御神幸行列と山車が神社を出発して御旅所へ。最後の急な坂を引き上げるあいだ、頭上では花火が次々に開きます。祭りのピークは午後10時ごろまで続きます。
沿道での見物は無料ですが大変な混雑で、交通規制も広く敷かれます。3日夜の有料観覧席は数百席で、毎年秋に秩父市内での販売とはがきの抽選で売り出され、すぐになくなります。西武は祭りの日に特急や普通列車を増発しますが、それでも特急は満席になるので、1か月前に予約するか秩父に泊まるのが安心です。12月の盆地の夜は氷点下近くまで冷えるので、何時間も立って見る前提で防寒してください。
- 祭りではドローンの飛行が禁止されています。
- 食事は早めにすませるか、持っていくと安心です。祭りの夜は巡行路の近くの飲食店がとても混みます。
- その年の日程、観覧場所、臨時列車は秩父観光協会の秩父夜祭のページで確認できます。
春から秋:芝桜、長瀞、川の町
羊山公園の斜面にある「芝桜の丘」には、約10品種、40万株以上の芝桜がピンク、白、紫の帯を描くように植えられ、背後に武甲山がそびえます。芝桜まつりは例年4月上旬から5月上旬で、見頃は4月中旬から下旬ごろ。開花期間は入園料がかかります。西武秩父駅か横瀬駅から上り坂を歩いて15分から20分ほどで、ゴールデンウィークがいちばん混みます。
長瀞へは御花畑から秩父鉄道で約25分。長瀞駅から歩いてすぐの岩畳は、荒川沿いに結晶片岩が畳を敷いたように広がる岩場で、対岸の岩壁は「秩父赤壁」と呼ばれ、長瀞渓谷は国の名勝・天然記念物です。長瀞ライン下りは救命胴衣を着けて急流を下る舟で、3月10日から12月上旬まで運航し、1月と2月は「ぽかぽかこたつ舟」になります。荒川の増水や渇水、悪天候で運休するので、当日確認してください。
山の上の宝登山神社は彩色彫刻の社殿で知られ、宝登山の山頂へはロープウェイで上れます。秋は上長瀞駅近くの月の石もみじ公園が、11月上旬から12月上旬に赤く染まります。秩父の町では、7月19日・20日の川瀬祭で屋台や笠鉾が曳き回され、神輿が荒川に入ります。10月には吉田地区の龍勢祭で、手作りの竹と火薬のロケットが空へ打ち上げられます。
神社と冬の氷:秩父神社、三峯神社、氷柱
駅から歩いてすぐの秩父神社は、2,000年以上前にさかのぼると伝わる古社です。今の社殿は徳川家康の命で建てられ、左甚五郎作と伝わる「子宝・子育ての虎」や「つなぎの龍」など、彩色された彫刻で覆われています。夜祭の前後に訪ねると、祭りの意味がよくわかります。
標高約1,100mの山中にある三峯神社は、関東の山岳信仰の古い拠点で、狛犬の代わりにお使いの狼の像が境内のあちこちに立っています。西武秩父駅から急行バスで約1時間半、または秩父鉄道で三峰口駅へ出てバスに乗り継ぐので、ほぼ1日がかりです。境内へのペット連れは禁止で、商用目的の撮影も禁止されています。
1月上旬から2月下旬は、三つの氷柱が冬の見どころです。荒川上流の崖から染み出す湧き水が凍る天然の三十槌の氷柱(高さ約8m、幅約30m)、西武線の芦ヶ久保駅から歩いて約10分のあしがくぼの氷柱、小鹿野町の渓谷にある尾ノ内氷柱。2026年のシーズンは3か所とも開かれ、日によって夜のライトアップもありました。寒さしだいなので、出かける前に確認してください。
- 氷柱の会場はとても寒く、足元が凍っていることも多いです。滑りにくい靴と防寒着で。
- 三峯神社の周辺ではクマの目撃情報が出る年があります。道を外れず、神社の案内に従ってください。
1日の回り方、食べ物、泊まるなら
おすすめの1日は、朝のラビューで秩父へ、秩父神社と町を歩いてから秩父鉄道で長瀞へ行き、岩畳と舟下りを楽しんで、夕方の電車に合わせて西武秩父駅へ戻るコースです。三峯神社は別の日に。夜祭の日は秩父に1泊すると終電の心配がなくなります。秩父鉄道では、決まった日にSLパレオエクスプレスが熊谷から三峰口まで全区間約2時間40分で走り、座席は事前に販売されます。運転日はSL運転日で確認できます。
秩父の食べ物は、腹にたまる山の味です。わらじほどの大きさの薄いカツをご飯にのせた「わらじカツ丼」、屋台の味噌ポテト、地元のそば粉で打つそば。帰りは別の路線で川越に寄り、埼玉を巡る1泊2日にするのもおすすめです。