見頃の時期
東京の藤は例年4月中旬に咲き始め、4月下旬に見頃を迎えます。近年は春が暖かく、都内の藤棚はゴールデンウィークより前に見頃になることが増えました。2026年は亀戸天神の藤が4月中旬にはほぼ見頃でした。北や内陸ほど時期は遅く、栃木のあしかがフラワーパークでは薄紅、紫、白、そして最後に黄色のきばな藤と品種が順に咲くため、5月中旬まで楽しめます。
つつじの時期もほぼ重なります。早咲きは4月上旬、都内の庭園の多くは4月中旬から下旬が見頃で、青梅の塩船観音寺のような大きな斜面は5月上旬まで持ちます。どちらも気温や雨で一気に進むので、まつりの日程は目安と考えましょう。各庭園や神社は公式サイトやSNSで開花状況を発信しています。
- 藤は甘い香りがあり、大きなクマバチが集まります。見た目は怖いですが刺すことはほとんどないので、手で払わずにそっとしておきましょう。
都内の藤の名所
江東区の亀戸天神社は、歌川広重の「名所江戸百景」にも描かれた江戸時代からの藤の名所です。心字池のまわりの藤棚に50株以上の藤が植えられ、池には反りの強い赤い太鼓橋が架かり、橋の上からは藤の向こうに東京スカイツリーが見えます。4月のほぼひと月にわたる藤まつりの期間中は参道に屋台が並び、日没から21時ごろまで(2026年)ライトアップされ、夜の池に花房が映ります。参拝は無料です。JR亀戸駅北口または錦糸町駅から徒歩約15分、都営バスの「亀戸天神前」が目の前です。
古い庭園にも小さな藤棚があります。JR浜松町駅北口から徒歩1分の旧芝離宮恩賜庭園では中央の池のそばに藤棚があり、下のベンチから眺められます。見頃は例年4月中旬から下旬です。飯田橋に近い小石川後楽園の淡い紫の藤棚もほぼ同じ時期で、入園料はそれぞれ150円と300円です(2026年)。西の神代植物公園では4月下旬から5月上旬に藤が咲き、すぐそばには都内有数のつつじ園があります。
日帰りで見に行く藤:足利と牛島
栃木のあしかがフラワーパークは、日本の藤といえば多くの人が思い浮かべる場所です。樹齢約160年の大藤は、植えられたときの小さな棚から約1,000平方メートルにまで広がりました。藤の時期は4月中旬から5月中旬で、夜はライトアップされた藤が池に映ります。入園料は開花状況によって変わり、見頃のピークがいちばん高くなるので、出かける日の料金を公式サイトの料金ページで確認してください。上野からJR宇都宮線で小山へ行き、両毛線に乗り換えてあしかがフラワーパーク駅まで、合わせて2時間ほどです。駅から入口までは徒歩約3分です。夕方の帰りの電車は混むので、出発前に交通系ICカードにチャージしておきましょう。
埼玉県春日部市の牛島の藤は対照的に、静かな日本庭園の古木が主役です。弘法大師のお手植えと伝わる樹齢千二百余年の藤で、1955年に国の特別天然記念物に指定されています。藤棚は約700平方メートル、よく咲く年には花房が2メートル近くになります。開園は藤の季節の約3週間だけで(2026年は4月中旬から5月上旬)、時間は8時から17時、入園料は大人1,200円です(2026年)。お弁当は持ち込めますが、ペットはケージに入れても入園できず、雨の日は藤棚の下で傘を開かないよう求められ、コスプレでの撮影はお断りです。東武アーバンパークラインの藤の牛島駅から徒歩10分です。
都内のつつじの名所
根津神社では4月いっぱい「文京つつじまつり」が開かれます。約100種3,000株のつつじが、千本鳥居の脇の斜面を埋めます。境内は無料ですが、まつり期間中9時から17時30分に公開されるつつじ苑は、日程や開花状況によって500円から1,000円の寄進料が必要です(2026年)。屋台は期間中毎日出ます。千代田線の根津駅、千駄木駅、南北線の東大前駅から徒歩約5分で、谷中の路地もすぐです。苑内の道は狭いので、まつりの週末は早めに出かけましょう。
駒込の六義園では4月中旬から5月上旬にツツジのイベントがあり、八重霧島や大紫など江戸時代の古品種に樹名板が付き、無料のツツジ散策マップが配られます。入園料は300円です(2026年)。新宿御苑でも八重桜のあと、4月後半に日本庭園のまわりでツツジや藤が見頃になります。なお、練馬駅前の平成つつじ公園は都内有数のつつじの名所ですが、2026年4月から2027年8月ごろまで全面リニューアル工事で閉園中のため、少なくとも2027年の春は見られません。
郊外のつつじの丘
東京の西の端、青梅市の塩船観音寺は、つつじをスケールの大きな景色で見たい人向けです。本堂の裏のすり鉢状の谷に約20種、1万5千株を優に超えるつつじが植えられ、縁を回る道から色の帯を見下ろせます。つつじまつりは4月中旬から5月上旬です。境内はふだん無料ですが、まつり期間中は入山料がかかります(2026年は大人300円)。5月3日には柴燈護摩と火渡りの荒行があり、近年は僧侶のあとに一般の参拝者も火の上を渡れました。JR青梅線の河辺駅からバスで約10分の「塩船観音入口」で降り、徒歩10分です。斜面は急で舗装されていない所もあるので、歩きやすい靴で。青梅線で奥多摩方面と組み合わせるのもおすすめです。
群馬県館林市のつつじが岡公園は、少し遠出する定番です。大きな沼のほとりの丘に100余品種約1万株のつつじがあります。つつじまつりは4月上旬から5月上旬で、入園料は開花状況によって上下します。浅草から東武の特急で館林まで約1時間、そこからバスで約10分、徒歩なら25分ほどです。一面の花畑を見たいなら、同じ時期に茨城の国営ひたち海浜公園のネモフィラ(例年4月後半が見頃)や、立川の国営昭和記念公園のネモフィラも楽しめます。
ゴールデンウィークの混雑と実用メモ
ゴールデンウィークは日帰りの行楽がいちばん集中する時期です。足利や春日部方面の電車は混み、都心から出る道路は渋滞し、足利や塩船の駐車場は午前中に満車になることもあります。いちばんの対策は早く行くことです。開門と同時に入るか、祝日のあいだの平日を使いましょう。亀戸天神や根津神社のような都内の名所は平日の朝がいちばん楽です。
このガイドで紹介した六義園、旧芝離宮、小石川後楽園、神代植物公園などの有料の都立庭園は、ペット連れでは入れません。藤は雨に弱く、雨風の強い日には半日で藤棚が散ってしまうこともあるので、荒天の予報が出たら前日に行きましょう。小さなお寺や屋台、まつりの受付は現金のみのことがよくあります。
- 開花状況では「見頃」「散り始め」の言葉に注目し、迷ったら入口で尋ねましょう。ひとつの品種の見頃はおよそ1週間です。