高尾山はどんな山か
高尾山は明治の森高尾国定公園の中にあり、スギやカシ、ブナの森、野鳥や植物で知られています。2007年にはミシュランの旅行ガイドで三つ星を獲得し、「世界一登山者が多い山」と言われることもあります。
薬王院は真言宗智山派の大本山のひとつです。天平16年(744年)、聖武天皇の命により行基が開いたと伝えられ、14世紀後半からは飯縄大権現を本尊としています。その眷属とされるのが天狗で、境内のあちこちに鼻の長い天狗と烏天狗の像が立っています。
登山コースとケーブルカー、道中の見どころ
多くの人は高尾山口駅から歩いて数分の清滝から登り始めます。1号路は薬王院の表参道で、約3.8km。ほぼ全線が舗装され、茶屋やトイレもあり、山頂まで歩いて1時間半ほどです。6号路は沢沿いの道で、滝行の場である琵琶滝の近くを通り、木の根や濡れた飛び石があります。狭い区間では上りの人が優先です。稲荷山コースは尾根を登る道で、八王子の街を見渡す展望所があり、山頂の手前で長い階段が続きます。6号路と稲荷山コースには売店も自動販売機もありません。
ケーブルカーは清滝駅から高尾山駅まで約6分。日本一の急勾配とされる路線で、1920年代に開業しました。隣のリフトは2人乗りで約12分です。どちらも中腹に着き、そこから1号路を進むと、霞台展望台、さる園・野草園、根がタコの足のように張った「たこ杉」が続きます。
浄心門を過ぎると、108段の石段の男坂と、緩やかな女坂に分かれ、薬王院の手前で再び合流します。薬王院から山頂までは短いながら少し急な登りです。晴れた日には山頂の西に富士山が見えます。
- 1号路はスニーカーで大丈夫です。6号路と稲荷山コースは雨のあと滑りやすいので、滑りにくい靴で。
- 小さな子ども連れや時間がないときは、上りはケーブルカー、下りは1号路を歩くのがおすすめです。
- ケーブルカーとリフトの切符は清滝で別々の券売機で売っています。
高尾山の一年
薬王院の一年は、元日の午前0時からの大護摩供で始まり、夜明けには初日の出を拝む迎光祭が行われます。大晦日はケーブルカーが終夜運転し、元日の朝は混雑のため山頂が閉鎖されたり入場が制限されたりすることがあります。2月の節分には大本堂で豆まきがあり、力士や芸能人も参加します。3月の第2日曜日は山麓の自動車祈祷殿広場で火渡り祭。山伏が護摩の火の跡を渡り、火が落ち着いたあとは一般の参拝者も裸足で渡ることができます。
春は都心より少し遅れて山の桜が咲きます。初夏から秋にかけては、ケーブルカー高尾山駅の隣で「高尾山ビアマウント」が営業し、関東平野の夜景を見ながら食べ放題・飲み放題を楽しめます。この時期はケーブルカーの最終便も遅くなります。薬王院では春と秋に大祭があり、秋は参道を行列が進みます。紅葉は例年11月中旬から12月上旬で、「高尾山もみじまつり」の期間は清滝駅前広場で演奏や出店があります。
混雑、安全、お寺でのマナー
いちばん混むのは11月の週末です。ケーブルカーには長い行列ができ、1号路は人で詰まり、帰りの電車も満員になります。平日に行くか、朝8時前に登り始めて、混む前に山頂に着き、昼ごろには下山するのが楽です。
ケーブルカーとリフトは多くの季節で夕方に運行を終え、リフトはケーブルカーよりかなり早く終わります。強風で止まることもあります。秋冬は森の中がすぐ暗くなるので、乗るときに最終便を確認し、遅くなりそうならヘッドランプを持っていきましょう。冬は日陰の道が凍ることがあります。
薬王院は今も祈りの場です。門で一礼し、手水で手を清め、お勤めの最中はお堂の近くで静かにしましょう。山の中にはゴミ箱がほとんどないので、ゴミは持ち帰ります。
- 水と行動食を持っていきましょう。売店は1号路沿いだけで、午後には閉まります。
- 重ね着がおすすめです。山頂は都心より数度低く、風もあります。
- 静かなコースに入る前に、駅か清滝でトイレを済ませておきましょう。
アクセスと下山後の楽しみ
高尾山口駅は京王高尾線の終点です。新宿から京王線の特急で約50分。JR中央線で高尾駅まで行き、京王線に乗り換えてひと駅という方法もあります。ケーブルカー清滝駅と登山口は、駅から歩いて数分です。
駅のすぐ隣には天然温泉「京王高尾山温泉 極楽湯」があり、下山後にひと風呂浴びてから帰る人が多くいます。歩いて数分の「TAKAO 599 MUSEUM」は、高尾山の動植物を紹介する無料の施設です。清滝までの道にはそば屋が並び、名物はとろろそばです。
登山に慣れた人は、山頂から尾根伝いに城山まで足を延ばすこともできます。帰りにJR中央線の吉祥寺に寄るのもいいでしょう。