日光はどんなところか
日光は栃木県にある町で、日光国立公園の入口にあたります。8世紀に勝道上人がこの山に仏教を開き、のちの輪王寺と二荒山神社の始まりになったと伝えられています。1617年には初代将軍徳川家康が祀られ、1630年代に孫の家光が現在の豪華な社殿に建て替えました。「日光の社寺」は1999年に世界遺産に登録されています。
日光は上下二つのエリアに分けて考えるとわかりやすいです。社寺のエリアは駅と町のすぐ上、杉の大木の中にあります。さらに上の奥日光は高原で、中禅寺湖は標高1,269m。夏も涼しく、かつては各国の大使館が湖畔に別荘を建てました。どちらも東京よりかなり寒く、特に朝は冷えます。
東照宮と社寺エリア
駅から坂を上ると、まず大谷川にかかる朱塗りの神橋があります。二荒山神社に属する橋で、今の形は1636年のもの。有料で渡って戻ってくることができます。道の向かいの輪王寺三仏堂には、金色の巨大な阿弥陀如来と二体の観音像が並び、宝物殿の奥の逍遥園は町で指折りの紅葉の名所です。
東照宮は五重塔と表門から始まります。中に入ったら、神厩舎の「見ざる・言わざる・聞かざる」の三猿、象を見たことのない絵師が描いたという「想像の象」を探してみてください。その先が、日本でもっとも装飾の細かい門のひとつ、陽明門です。本地堂では、天井の龍の下で神職が拍子木を打ち、「鳴き龍」の響きを聞かせてくれます。東回廊には小さな「眠り猫」の彫刻があり、その奥の長い石段を5分ほど上ると家康の墓所、奥宮です。本殿の中は撮影禁止です。
少し西の二荒山神社は東照宮よりずっと古く、落ち着いた社で、日光の三つの霊山の神を祀っています。境内の大部分は無料です。その先の大猷院は家光の廟所で、東照宮と同じ様式をより小さく静かに見せてくれます。
- 東照宮へは開門直後に。昼前には団体客で陽明門のまわりが混み合います。
- 奥宮への石段は急で段差があります。サンダルではなく歩きやすい靴で。
- 東照宮の拝観は11月から3月は16時まで(4月から10月は17時まで)。受付は閉門の30分前に終わります。
いろは坂、華厳の滝、中禅寺湖
町から中禅寺湖まではバスで約50分。上り専用と下り専用の二本の道からなるいろは坂を上ります。合わせて48のカーブがあり、いろは48文字にちなんだ名前です。上り道の終わり近くにある明智平からは、カーブの連なりと谷を見下ろせます。
華厳の滝は落差約100m、中禅寺湖から水が流れ出る唯一の出口で、日本三名瀑のひとつです。中禅寺温泉のバスターミナルから歩いてすぐの無料の観瀑台のほか、有料のエレベーターで約100m下りた滝つぼ近くの観瀑台もあります。寒い冬には、滝がほとんど凍りつきます。
中禅寺湖は約2万年前、男体山の噴火で谷がせき止められてできた湖です。中禅寺温泉から遊覧船が出ており、北岸には二荒山神社中宮祠があります。時間があれば、バスで竜頭の滝、戦場ヶ原を通って湯元温泉まで足をのばせます。
- 明智平に寄れるのは上りのバスだけです。町へ下るバスは停まりません。
- 夏でも一枚羽織るものを。標高1,300m近い湖畔は都心よりずっと涼しくなります。
日光の一年:例大祭と紅葉
東照宮の春季例大祭は毎年5月17日と18日です。17日は表参道の特設馬場で流鏑馬、18日は午前から「百物揃千人武者行列」が行われ、鎧武者や江戸時代の装束の1,000人以上が神輿を御旅所までお供して、また東照宮へ戻ります。10月の秋季大祭でも、16日に流鏑馬、17日に武者行列があります。
紅葉は山の上から下りてきます。10月上旬に湯元から色づき始め、10月中旬から下旬に中禅寺湖、華厳の滝、いろは坂が見頃に。社寺のある町や逍遥園は11月前半です。冬は雪と凍った華厳の滝、人の少ない静かな日光。夏は湖のあたりが緑で涼しく、8月には東照宮で剣道大会も開かれます。
行き方と、日帰りか一泊か
いちばん簡単なのは浅草から東武鉄道。特急で東武日光駅まで約2時間、1時間に1、2本あり、座席指定の特急券が必要です。急行や普通列車は安いものの、30分以上長くかかり、乗り換えもあります。JRなら東京駅か上野駅から東北新幹線で宇都宮へ行き、JR日光線に乗り換えて合計約100分。ジャパン・レール・パスが使えます。新宿から池袋、大宮を経由するJRと東武の直通特急「日光」も1日1、2本あり、全席指定です。
JR日光駅と東武日光駅は隣り合っています。駅から社寺までは上り坂を歩いて30〜40分、バスなら約10分。東武は路線バスも乗り放題になる日光エリアのフリーパスを販売しています。食べ物では、豆乳を温めてできる膜「湯波(ゆば)」が名物で、そばや丼、定食で味わえます。
日帰りなら社寺エリアをしっかり見て、朝早く出れば華厳の滝まで回れます。湖や戦場ヶ原、温泉までゆっくり楽しむなら、中禅寺温泉、湯元温泉、鬼怒川温泉で一泊を。紅葉の最盛期は、町と湖の間の渋滞でバスが通常より2時間以上遅れることがあると東武も案内しています。10月の週末は早朝に上るか、平日にするか、山は二日目に回しましょう。
- 紅葉シーズンの週末と5月の例大祭の日は、行きも帰りも特急券を早めに予約しておきましょう。
- 朝はまず中禅寺湖へ上り、午後に社寺を回ると、人の流れと逆になって楽です。
- 社寺の多くは16時か17時に閉まります。日没ではなく閉門時間を基準に計画を。