使える範囲と使えないもの
ジャパン・レール・パスは「短期滞在」の在留資格で入国する外国人旅行者だけが買えるパスです。7日、14日、21日の連続した期間で、普通車用とグリーン車用があります。全国のJRの新幹線、特急、普通列車に加え、JRの路線バス、JR西日本の宮島フェリー、羽田へ向かう東京モノレールにも乗れます。東京では山手線や中央線などのJR線と、成田空港からの成田エクスプレスが対象です。
一方、東京メトロや都営の地下鉄、小田急、東武、京成スカイライナーなどの私鉄、JRの高速バスは対象外です。JRの列車が私鉄に乗り入れる場合、私鉄区間は別料金になります。たとえば富士回遊の大月から河口湖まで、新宿から東武日光へ向かう特急の栗橋から先がそうです。
東海道・山陽新幹線ののぞみ・みずほは長く対象外でしたが、2023年10月からは乗車前に専用の「のぞみ・みずほ」きっぷを1回ごとに買えば乗れるようになりました。2026年時点で東京から京都・新大阪までは約4,960円、名古屋までは約4,180円です。追加料金なしで乗れるひかりを選んでも、所要時間は少し長くなる程度です。
- パスだけでは座席は確保されません。指定席の予約はJRの券売機や窓口で無料でできます。
- 対象の列車でも、グランクラスやJR東日本の新幹線のTRAIN DESKなど一部の車両は使えません。
2026年10月からの価格
JRグループは、2026年10月1日以降に海外の代理店で購入する分の価格を改定しました。普通車用は7日間が50,000円から53,000円に、14日間が80,000円から84,000円に、21日間が100,000円から105,000円になり、グリーン車用は74,000円、116,000円、147,000円です。6歳から11歳の子どもはおよそ半額です。
公式のオンライン販売サイト「JAPAN RAIL PASS Reservation」では、期間限定で旧価格のまま据え置かれています。普通車用が50,000円、80,000円、100,000円、グリーン車用が70,000円、110,000円、140,000円で、据え置きの終了時期は決まりしだい発表されます。価格は乗車日ではなく支払日で決まるので、いまは公式サイトで買うほうが安く、入国前にネットで座席予約ができるのも利点です。
- 上記は2026年10月時点の価格です。据え置きは終わる可能性があるので、支払い前にjapanrailpass.netを確認しましょう。
- 購入は公式サイトかJR指定の代理店で。パスはパスポート情報にひもづくため、転売サイトは避けましょう。
元が取れる旅程、取れない旅程
東京の市内移動は1回数百円なので、東京だけではまず元が取れず、そもそも地下鉄には乗れません。よくある勘違いが東京と京都・大阪の往復です。東京から新大阪までののぞみ指定席は2026年時点で片道約14,700円、往復でも3万円を切り、7日間パスの価格には遠く及びません。
パスが生きるのは、7日、14日、21日のうちに長距離をたくさん移動する場合です。たとえば東京から京都と大阪、さらに広島まで足を延ばし、仙台や金沢方面にも行く旅程や、新幹線での遠出を何度もする旅程です。判断は簡単で、旅程のJRの長距離区間を一つずつ乗換案内やNAVITIMEで調べて運賃を合計し、パスの価格と比べます。のぞみを使うなら、区間ごとの追加きっぷも足してください。
見えにくい損得もあります。パスがあれば毎回きっぷを買う手間がなく、思いつきでJRに乗れます。ただし東京近郊の寺社や温泉地、山へは地下鉄や私鉄、バスで行くことが多く、そこにはパスは使えません。
- 長距離に乗る日だけを数えましょう。東京市内で過ごす日は、パスがあってもほとんど得になりません。
- 長距離移動が滞在の前半か後半にまとまっているなら、7日間パスでそこを押さえ、東京ではICカードで払う方法もあります。
地域パスと、東京だけのときの代わり
東京からの日帰り旅には「JR東京ワイドパス」のほうが得なことが多いです。関東エリアのJR東日本の列車が新幹線も含めて連続3日間乗り放題で、富士五湖へ向かう富士急、日光・鬼怒川への直通特急、伊豆急、東京モノレールなど一部のJR以外の路線も使えます。価格は2026年に改定されたので、最新の金額はJR東日本の公式サイトで確認してください。外国のパスポートを持つ人が対象で日本に住む外国人も買えますが、東海道新幹線は対象外です。日光と河口湖のような遠めの日帰りを2回すれば、たいてい元が取れます。
JR東日本は、東北や長野・新潟まで含む5日間・10日間のパスも出しています。JR以外の行き先なら私鉄のパスを。小田急の「箱根フリーパス」は新宿からの往復と箱根の電車、ロープウェイ、船、バスの大半をカバーし、東武は日光向けのパスを販売しています。市内ではSuicaで乗るたびに払うか、地下鉄が多い日は東京サブウェイチケットを使いましょう。
買い方、受け取り方、使い方
公式サイト(JAPAN RAIL PASS Reservation)で、購入者本人名義のクレジットカードと、利用者全員のパスポート情報を入力して買います。1人の購入者が同行者を最大6人まで追加できます。もう一つは海外のJR指定代理店で引換証(Exchange Order)を買う方法で、発行日から3か月以内に日本で引き換える必要があり、引き換えは利用開始日の1か月前からです。
入国審査では、パスポートに「短期滞在」のスタンプかシールを必ずもらってください。空港の顔認証ゲートでは押されないので、有人ブースを使うか係員に頼みましょう。これがないとパスを受け取れません。受け取りはJRの窓口かパスポート読み取り機能つきの指定席券売機で、成田・羽田の両空港、東京駅、品川駅など主要駅にあります。利用開始日は自分で選び、そこから連続した日数で使えます。
改札では、きっぷと同じように自動改札に通します(IC専用改札は不可)。係員に求められることがあるので、パスポートは常に持ち歩きましょう。指定席は券売機や窓口で、公式サイトで買った場合はネットでも予約できます。東海道新幹線では、3辺の合計が160〜250cmの荷物は特大荷物スペースつき座席の事前予約が必要です。
- 到着日に都心へ向かうだけなら、その日はSuicaで払い、パスは最初の長距離移動の日から使い始めるのがおすすめです。
- 成田エクスプレスと東京モノレールは対象なので、有効期間中なら空港への移動にも使えます。