築地とはどんな場所か
築地は文字どおり「築いた土地」で、1657年の明暦の大火のあと、海を埋め立てて造成されました。1923年の関東大震災で日本橋の魚河岸が焼けたのち、市場がここへ移り、1935年に築地市場が開場しました。マグロの競りは長く世界中から見物客を集めてきました。
2018年、競りを行う場内市場は豊洲へ移転しました。料理人や仕入れの人を相手に場内のまわりに育った場外市場は、そのまま築地に残っています。築80年を超える建物もあり、1階で店を営み2階に住むという昔ながらの暮らし方もまだ見られます。
見どころと食べもの
築地駅から出ると、まず目に入るのが築地本願寺です。伊東忠太の設計で1934年に完成した本堂は、古代インドの仏教建築を思わせる石造りの外観ですが、なかは浄土真宗の伝統的な本堂です。1970年に寄贈されたドイツ製のパイプオルガンがあり、毎月最終金曜日の昼にはランチタイムコンサートが開かれます。境内は無料で、夜はライトアップされます。
道を渡ると場外市場です。細い路地に鮮魚店や玉子焼きの店、かつお節や昆布、漬物、お茶の店が並び、名入れをしてくれる包丁店もあります。寿司や海鮮丼の小さな店は朝早くから開いています。築地魚河岸の建物には早朝から開く食堂があり、買ったものを腰を落ち着けて食べるのにも便利です。
市場のはずれには、埋め立て工事を波から守ったと伝わる波除神社があります。境内の巨大な獅子頭は、6月の祭りで街を練り歩きます。
- 案内所「ぷらっと築地」では地図がもらえ、ベビーカーも有料で預かってもらえます。
- 買いすぎたら、提携サービスによる免税手続きや配送もあります。ぷらっと築地で聞いてみましょう。
築地の一年
4月上旬、築地本願寺ではお釈迦さまの誕生を祝う花まつりが行われます。6月には波除神社の「つきじ獅子祭」があり、大きな獅子頭と神輿が市場の通りを渡御します。3年に一度が本祭りで、そのあいだの年は規模を小さくして行われます。
7月下旬から8月上旬には築地本願寺の納涼盆踊り大会があります。境内のやぐらを囲んで地元の人も観光客も踊り、場外市場の店が屋台を出すことで知られる、都心の夏の人気行事です。参加は無料で、数日間の夜に開かれます。11月には大切な法要である報恩講が営まれます。
場外市場がいちばん混むのは12月下旬です。正月用の魚や食材を買い求める人で通りが埋まり、活気はありますが、のんびり見て回るには向きません。市場も年末は団体での来訪を控え、少人数で来るよう呼びかけています。
時間帯、休みの日、市場のマナー
行くなら朝です。市場は朝9時までは仕入れの人を優先してほしいと呼びかけていて、混むのはおおむね9時から13時ごろ。昼過ぎには閉める店が多く、午後の中ごろには通りも片づき始めます。日曜・祝日と、市場が休みになる水曜日は休む店が多いので、公式サイトのカレンダーを見ておきましょう。その日も開けている店はあります。
市場はマナーを公開しています。食べるのは店内か決められた飲食スペースで、歩きながらは食べないこと。店を撮るときはひと声かけ、商品、とくに生ものには触らないこと。値切りはせず、たばこは決められた場所で。通りが狭いので大きな荷物はコインロッカーに預け、少人数で動き、子どもとは手をつなぎましょう。カードの使える店もありますが、小さな店では現金があると安心です。
築地本願寺の本堂は早朝から夕方まで開いています。帽子をとり、声を落とし、法要中なら静かに座って待ちましょう。
- 平日の朝8時から9時ごろに着くと、開いている店も多く、歩きやすいです。
- ベンチや立ち食いのカウンターがある店では、そこで食べて串や皿を返しましょう。
アクセスと周辺
東京メトロ日比谷線の築地駅と都営大江戸線の築地市場駅から、それぞれ徒歩1分ほど。東銀座駅(日比谷線・浅草線)からも約3分です。銀座は西へ歩いてすぐで、東銀座には歌舞伎座があります。
少し歩けば、潮入の池と茶屋がある旧将軍家の庭園、浜離宮恩賜庭園です。庭園の船着場からは隅田川を浅草方面へ上る水上バスも出ています。マグロの競りはいまは豊洲市場で行われていて、ゆりかもめで向かう早朝の別行程になります。2階の見学者通路からは予約なしで見られ、競り場に近い見学者デッキは1日100人ほどのオンライン抽選で、前月に申し込み、当日は写真付きの身分証を確認されます。競りは朝5時半ごろからで、豊洲市場は日曜・祝日と一部の水曜日が休みです。