現金、カード、交通系IC、QR:どこで何が使えるか
日本のキャッシュレス化はかなり進んでいて、経済産業省によると、2025年のキャッシュレス決済比率は従来の指標で46%、新しい国内指標では58%になりました。VisaやMastercardは百貨店、チェーンの飲食店、コンビニ、ホテル、大型家電店、ほとんどのタクシーで使え、タッチ決済もごく普通です。
それでもいちばん役に立つのはSuicaやPASMOなどの交通系ICカードです。電車やバスはタッチするだけで乗れ、コンビニ、自販機、駅ナカの店、多くのコインロッカーやカフェでも支払えます。カードのチャージは駅の券売機やコンビニのレジで現金で行い、Apple WalletのSuicaやPASMOならスマホからチャージできます。2026年3月からは、東京メトロ、都営地下鉄と、京王、東急、小田急、京急など多くの私鉄で、クレジットカードやスマホのタッチ決済で改札を通れるようになりました。ただし山手線などのJRは対象外で、乗る駅と降りる駅の両方が対応している必要があります。
QRコード決済はPayPayを中心に広く普及していますが、基本的には国内在住者向けのサービスです。訪日客でもAlipayや、Kakao Pay、Naver PayなどAlipay+対応のアプリなら、多くのお店でPayPayのQRコードを読み取って支払えます。百貨店やドラッグストアなど訪日客の多いお店では、AlipayやWeChat Payが使えるところも多くあります。
- 空港や主要なJR駅で買える訪日客向けのWelcome Suicaはデポジット不要で有効期間28日、iPhone用のWelcome Suica Mobileは180日です。
- Welcome Suicaの残高は払い戻しできません。帰国前にコンビニなどで使い切りましょう。
まだ現金が必要な場面
旅行者がよく行く場所でも、現金が基本のところは残っています。お賽銭は小銭を賽銭箱に入れますし、お守りやおみくじが現金のみの神社も多くあります。お祭りの屋台、フリーマーケット、手づくり市は、PayPayや交通系ICに対応する店も増えましたが、まだ現金が中心です。家族経営の食堂、昔ながらの喫茶店、古い券売機のラーメン店、小さなライブハウスの当日券も現金のみのことがあります。古いコインロッカーは100円玉しか使えません。
硬貨は1円、5円、10円、50円、100円、500円、紙幣は千円、五千円、一万円です(二千円札もありますが、ほとんど見かけません)。2024年7月に3種類の紙幣が新しいデザインになりましたが、旧紙幣も引き続き使えます。値札やメニューは税込表示が義務なので、サービス料がかかるお店以外は表示どおりの金額です。小銭がすぐたまるので、小さな小銭入れがあると便利です。
- お祭りの前にコンビニで一万円札をくずしておきましょう。朝の屋台はお釣りが少ないことがあります。
- 「現金のみ」の表示があれば現金だけ。入口にカードや交通系ICのマークがあればキャッシュレスで払えます。
ATMと両替
海外のカードでいちばん使いやすいのは、セブン‐イレブンにあるセブン銀行のATMです。全国に28,000台以上あり、空港や多くの駅にも設置されていて、Visa、Mastercard、American Express、JCB、銀聯、Discover、ダイナースクラブ、PlusやCirrusのカードに対応し、英語の画面も選べます。セブン‐イレブンはほとんどが24時間営業なので、たいていはいつでも引き出せます。郵便局のゆうちょ銀行ATMも海外カードに対応していますが、利用時間は郵便局によって異なります。それ以外の銀行のATMは、海外カードが使えないことが多いです。
ATMの手数料に加えて、カード発行元の手数料がかかることもあるので、少額を何度も引き出すより、まとめて引き出すほうが割安になりがちです。ATMやお店の端末で自国通貨での支払いを提案されたら、円を選びましょう。その場の換算はレートが不利なことが多いからです。最初の現金は成田や羽田の両替所が便利で、都内の繁華街にも両替所があります。
- 海外発行のカードは、出発前にカード会社へ渡航予定を伝えておくと安心です。不正利用と判断されて止まることがあります。
- ブランドの違うカードを2枚持っておくと安心です。あるATMでは使えなくても、別のATMなら使えることがあります。
チップと支払いのマナー
日本にはチップの習慣がありません。サービスは料金に含まれていて、テーブルにお金を置いていくと、店員さんが返しに追いかけてくることもあります。その代わり、ホテルや高級店ではサービス料(多くは10%前後)が加算されることがあり、メニューや伝票に書かれています。居酒屋では最初の飲み物と一緒に「お通し」という小鉢が出て、数百円の席料として請求されることが多いですが、間違いではありません。
お店では、お金やカードを手渡しせず、レジ横のトレーに置くのが一般的です。飲食店ではテーブルではなく出口近くのレジで会計することが多く、安いチェーン店では席に着く前に券売機で食券を買います。小さなお店ではカードでの個別会計ができないこともあるので、グループはまとめて払ってあとで精算するのが普通です。都内のタクシーは深夜に割増料金がかかります。
- 会計を頼むときは「お会計お願いします」で通じます。
- お釣りもトレーで返ってきて、お札は目の前で数えてくれます。そこから受け取りましょう。
出国税、免税、予算の立て方
日本から出国するときには、国際観光旅客税がかかります。2026年7月1日からは1人3,000円(以前は1,000円)で、通常は航空券や乗船券の代金に含まれているため、空港で別に払う必要はありません。2026年6月30日までに発券された航空券などは旧税率のままで、2歳未満は対象外です。また訪日客は、同じ店で1日5,000円以上の買い物で消費税が戻り、2026年11月1日の購入分からは、出国時の税関確認のあとに返金される方式です。
東京は思われているほど高くありません。ランチの定食、コンビニ、チェーン店を使えば食費は抑えられ、お祭りや市、イルミネーションの多くは無料、地下鉄をよく使う日は乗り放題券が得です。屋台やお賽銭、小さな店のための現金を1日分持ち、大きな支払いはカードで。終電の時間を意識しておくのも大事で、深夜のタクシーは、予算オーバーのいちばんの原因になりがちです。
- カードやアプリが使えなかったときのために、現金を少し予備で持っておきましょう。
- ホテル代、空港アクセス、大きな買い物はカード、小銭はお賽銭やロッカー、屋台に。