アクセスとお得なきっぷ
新宿からは小田急線で終点の片瀬江ノ島駅まで1時間強、たいてい藤沢で乗り換えます。土休日を中心に特急ロマンスカーが直通する列車もあり約1時間で着きますが、座席指定の特急券が別に必要です。竜宮城をかたどった駅舎の片瀬江ノ島駅が、島へ渡る橋にいちばん近い駅です。
東京駅や品川からは、JR東海道線で藤沢へ出て江ノ電に乗り換えるか、JRで大船駅へ行き、湘南モノレールで湘南江の島駅まで約15分。山の上を吊り下げ式で走るモノレールは、乗るだけでも楽しめます。湘南江の島駅と江ノ電の江ノ島駅は近くにあり、片瀬江ノ島駅より橋まで少し歩きます。
小田急線から出かけるなら、小田急の江の島・鎌倉フリーパスが便利です。発駅からの割引往復に、小田急線の藤沢から片瀬江ノ島の区間と江ノ電全線の1日乗り放題、観光施設の割引が付きます。JR、湘南モノレール、ロマンスカーの特急券は含まれません。江ノ電だけ乗り降りするなら、江ノ電の1日乗車券「のりおりくん」で十分です。
- SuicaやPASMOは、江ノ電と湘南モノレールを含むすべての路線で使えます。
- フリーパスは小田急線の駅のほか、スマホで使えるデジタル版もあります。デジタル版は最初に乗る前に有効化が必要です。
島を歩く:弁天橋から岩屋まで
江の島は周囲約4km、いちばん高いところで約60m。島を端から端まで歩くのが定番のルートです。弁天橋を渡ると1821年に再建された青銅の鳥居があり、その先が江の島弁財天仲見世通り。旅館や海鮮料理店、食べ歩きの店が並ぶ坂道で、江戸時代から参詣客を迎えてきました。上りきったところが江島神社の三つの宮のひとつ、辺津宮で、1206年に源実朝が創建したと伝わります。隣の八角のお堂、奉安殿には鎌倉時代の弁財天像が2体あり、琵琶を抱く裸弁財天も拝観できます(有料)。
さらに上ると朱塗りの中津宮で、境内には江戸時代の商人や芸人が奉納した石灯籠が並びます。階段がつらければ、1959年に国内初の屋外エスカレーターとして登場した「江の島エスカー」で3区間を上れます。山頂部の江の島サムエル・コッキング苑は、明治時代にイギリスの貿易商が1882年から造った庭園がもとで、イベントのない日の日中は入園無料。苑内に建つ江の島シーキャンドルは高さ約60mの展望灯台で、ガラス張りの展望フロアと、その上に屋外展望台があります。
頂上からは島の裏側へ下ります。恋人の丘「龍恋の鐘」、天井の「八方睨みの亀」で知られる奥津宮を過ぎると、外海に面した岩場の稚児ヶ淵に出ます。その先の江の島岩屋は、弘法大師や日蓮も修行したと伝わる二つの海食洞窟で、第一岩屋は奥行152m、ろうそくの灯りを手に進む区間もあります。岩屋の近くから弁天橋のたもとへ戻る小さな船「べんてん丸」が、波の穏やかな日に運航してきました。帰りの上り坂を省けますが、冬は運航日が少なくなります。
- エスカーは上り専用です。帰りは階段を下りますが、上りよりずっと楽です。
- シーキャンドル、エスカー、岩屋はそれぞれ有料です。サムエル・コッキング苑はイベントのない日は無料です。
- 2026年はシーキャンドル脇のサンセットテラスが改修工事のため閉鎖中で、11月末ごろまでの予定です。
- 波の高い日は稚児ヶ淵の岩場の端に近づかないこと。荒天の日は岩屋が閉まります。
富士山と夕日、江の島の一年
富士山は相模湾の西に見え、空気の澄んだ晩秋から早春の、朝や夕暮れ時がいちばんきれいです。定番はシーキャンドルの屋外展望台、稚児ヶ淵の岩場、弁天橋の上。よく晴れた日には、展望台から伊豆半島や東京スカイツリーまで見えることもあります。夏はかすみで富士山がまったく見えない日が多くなります。
1月初めの江島神社は初詣でにぎわいます。夏は海水浴のシーズンで、7月中旬の江の島天王祭では神輿が海に入って渡御したあと、対岸の腰越・小動神社の神輿と行き合います。8月から9月にかけては「江の島灯籠」が夜の島を灯りで彩ります。
秋には片瀬西浜の沖から上がる「ふじさわ江の島花火大会」が例年10月ごろに開かれます。観覧は無料で、近年は荒天なら中止、順延日はありません。サムエル・コッキング苑の「湘南キャンドル」も秋の夜の恒例です。11月下旬から2月ごろまではイルミネーション「湘南の宝石」がシーキャンドルと苑内を光で包み、関東三大イルミネーションのひとつに数えられることもあります。
海水浴場、混雑、スラムダンクの踏切
橋の両側に片瀬海岸が広がります。東側の片瀬東浜海水浴場は日本でも歴史の古い海水浴場、西側の片瀬西浜海水浴場は新江ノ島水族館の前を通って鵠沼へと長く続きます。海の家、ライフセーバー、シャワーがそろう海水浴場の開設期間は、近年は7月上旬から8月末、または9月までです。喫煙は指定の場所でのみ。シーズン外の浜は、サーファーと散歩の人のものです。
いちばん混むのは土日、ゴールデンウィーク、夏です。仲見世通りは昼前から人で詰まり、午後には江ノ電の江ノ島駅に行列ができ、大型連休には江ノ電の鎌倉駅で入場規制がかかることもあります。朝早く着いて先に島を回り、昼食は時間をずらすのがおすすめです。外で食べ物を手にしていると、上空を回るトンビにさらわれることがあるので気をつけてください。
鎌倉方面へ2駅、鎌倉高校前駅そばの踏切はアニメ『スラムダンク』のオープニングに登場し、多くのファンが訪れます。鎌倉市のマナー条例では、車道の中央で立ち止まっての撮影や線路への身の乗り出しが迷惑行為とされ、近年は市が警備員を置き、踏切脇に柵で囲った撮影エリアを設けています。撮影はそこで行い、歩道をふさがないこと。地元の学生や住民が毎日渡る踏切です。
- 名物はしらす。生しらすは漁に出た日だけで、1月1日から3月10日までは禁漁のため食べられません。
- 島も踏切も、いちばん空いているのは平日の朝です。
鎌倉と組み合わせる1日プラン
江ノ電は江ノ島駅から約25分で鎌倉に着き、大仏や長谷寺の最寄りの長谷駅はその少し手前です。家並みのすぐ脇をすり抜け、腰越から江ノ島の間では道路の真ん中を走るので、二つの町を1日で回るのは簡単です。
朝から動くなら、小田急で片瀬江ノ島へ行って島を岩屋まで歩き、江ノ電で長谷と鎌倉を回ってJR鎌倉駅から帰る順番です。江の島で夕日を見たいなら逆回りにして、午前は鎌倉、昼過ぎに江ノ電で江の島へ渡り、夕暮れのシーキャンドルを見てから小田急で新宿へまっすぐ戻ります。子ども連れなら、雨の朝は西浜前の新江ノ島水族館が頼りになります。