川越とは
川越は長禄元年(1457年)に築かれた川越城の城下町として発展し、江戸時代には江戸と深く結びついた町として栄えました。明治26年(1893年)の大火のあと、商人たちは次の火事に備えて、厚い土壁と重い瓦屋根の蔵造りで店を建て直しました。その建物が今も一番街とその周辺に並び、伝統的な町並みとして保存されています。
町には古い社寺も二つあります。天台宗の喜多院は天長7年(830年)の創建と伝わり、寛永15年(1638年)の大火のあと、江戸城の建物を移して再建されました。川越氷川神社は欽明天皇2年(541年)の創建と伝わり、二組の夫婦神を含む家族の神々を祀ることから、縁結びの神様として親しまれています。
歩いて回る見どころ
まずは蔵造りの町並みへ。蔵の多くは今、お店やカフェで、名物のさつまいも菓子の店も目立ちます。通りから少し入ると、高さ約16メートル、木造3層の時の鐘が立っています。江戸時代初期に始まり、今の鐘楼は大火の翌年、明治27年(1894年)に再建されたもので、今も6時、12時、15時、18時の1日4回鐘が鳴ります。
北へ数分歩くと、石畳の路地に昔ながらの駄菓子屋など約20軒が並ぶ菓子屋横丁があります。町並みの近くにある川越まつり会館では、本物の山車を一年中展示しているので、10月以外でも間近で見られます。
本川越駅から徒歩約15分の喜多院では、江戸城から移された「徳川家光誕生の間」と「春日局化粧の間」を見学できます。隣の五百羅漢は天明2年(1782年)から約50年かけて造られた538体の石像で、一体ごとに表情が違います。氷川神社は町並みの北東にあり、絵馬のトンネルが目印です。
- 川越駅西口から出る小江戸巡回バスで、蔵の町並みや氷川神社などの名所を回れます。
- 喜多院の客殿・書院・五百羅漢の拝観は有料ですが、境内を歩くのは自由です。
- 喜多院の山門は保存修理工事中で、2027年秋ごろまでの予定です。参拝順路は案内板に従いましょう。
川越の一年
一年は1月3日の喜多院「初大師だるま市」で始まり、境内に赤いだるまの露店が並びます。2月3日には喜多院で節分の豆まきがあります。3月中旬から4月上旬は喜多院の桜と、氷川神社裏を流れる新河岸川の桜並木が見頃で、散り際には川面が花びらで覆われます。
6月下旬から9月上旬は、氷川神社の「縁むすび風鈴」の季節です。境内に約2,000個の江戸風鈴が飾られ、願いごとを書いた木の短冊を下げることができ、夕方からは明かりが灯ります。秋のいちばんの行事は川越まつりで、毎年10月第3日曜日とその前日の2日間、人形をのせた豪華な山車が町を巡ります。慶安元年(1648年)に始まったと伝わり、「山・鉾・屋台行事」のひとつとしてユネスコ無形文化遺産に登録されています。
見どころは日が暮れてから。山車どうしが辻で向かい合い、お囃子と踊りで競い合う「曳っかわせ」が始まります。11月には喜多院で小江戸川越菊まつりが開かれ、七五三のお参りも増え、11月下旬から12月上旬には境内の紅葉が色づきます。
時間帯・混雑・マナー
平日の午前中は落ち着いていますが、週末の午後は蔵の町並みと菓子屋横丁がとても混みます。どちらも歩道が狭いので、10時前に着いて町並みから先に回り、寺社はあとにするのがおすすめです。川越まつりの2日間は数十万人が訪れ、中心部は交通規制がかかり、夕方以降の帰りの電車も混雑します。帰りは時間をずらしましょう。
喜多院の拝観は通常午前9時から夕方までで、冬は少し早く閉まります。12月25日から1月8日や一部の行事の日は建物内の拝観が休みになるので、公式サイトで確認してください。氷川神社では鳥居で一礼し、手水で手を清め、本殿の近くでは静かにしましょう。この神社で挙式をしていない方の婚礼撮影(前撮りなど)や商用目的の撮影、三脚の使用は禁止されています。小さな露店のために、現金も少し持っていくと安心です。
アクセスと組み合わせ方
池袋からは東武東上線の急行で川越駅・川越市駅まで約30分です。新宿からは西武新宿線で西武新宿駅から本川越駅まで、座席指定の特急「小江戸」で約45分、急行で約1時間かかります。JR埼京線にも川越駅まで直通する電車があります。蔵の町並みにいちばん近いのは本川越駅で徒歩10分から15分ほど、川越駅からは徒歩20分から25分ほどなので、バスも便利です。
おすすめは、行きは池袋から東武線、町並みから氷川神社と喜多院を歩き、帰りは本川越から西武線で新宿へ戻るルートです。逆回りでもかまいません。帰ってからの夜は池袋で過ごすのも手軽です。