河口湖と富士五湖のあらまし
富士五湖は山梨県側、富士山の北のふもとに弧を描いて並び、標高はおよそ800〜1,000mです。東から、いちばん大きく標高も高い山中湖(キャンプ場や湖のスポーツが盛ん)、開けていて行きやすい河口湖、森に囲まれた静かな西湖(かやぶきの集落を再生した「いやしの里根場」があります)、いちばん小さく「子抱き富士」の眺めで知られる精進湖、そしていちばん深く透明度が高い本栖湖。本栖湖からの富士山は旧千円札の図柄です。
河口湖は東西に細長い湖です。河口湖駅と船津の温泉街は東の端にあり、その少し西を河口湖大橋が渡っています。河口・大石・長浜の北岸は湖越しに富士山と向き合う側で、美術館、大石公園、もみじ回廊があります。イベントの会場はおもに3か所。駅に近い大池公園、大橋のたもと南岸の八木崎公園、そして大石公園です。
- 湖畔は東京より数度低く、11月から3月は朝に氷点下になる日も多くあります。日帰りでも上着を一枚多めに。
一年のイベント
冬:「河口湖・冬花火」は1月中旬〜下旬から2月下旬までの土日と、2月23日の富士山の日に開かれます。20時から約20分、大池公園、八木崎公園、畳岩の3か所から打ち上げ。無料で有料席はありません。同じころ、西湖野鳥の森公園では「西湖こおりまつり」(以前の名前は西湖樹氷まつり)が開かれ、高さ数メートルの樹氷が並びます。ライトアップは日没から19時まで、土日祝は飲食ブースも出ます。
春:北岸の桜はおおむね4月上旬〜中旬。河口湖円形ホール近くの湖畔遊歩道を会場に「富士・河口湖さくら祭り」が開かれ、夜桜のライトアップやクラフト市、飲食ブースが出ます。4月中旬から5月下旬は富士本栖湖リゾートの「富士芝桜まつり」。約50万株の芝桜が富士山のふもとを染めます。このエリアの大きな行事では珍しく入園料が必要で、期間中は河口湖駅から会場行きのバスが出ます。
夏:大石公園と八木崎公園のラベンダーは6月中旬〜下旬から7月中旬ごろ。この時期に合わせてハーブフェスティバルが長く開かれてきました。8月初めは湖ごとに花火大会が続き、8月1日の山中湖「報湖祭」、8月5日の「河口湖湖上祭」へ。湖上祭は約1万発で、船津浜や大池公園から見るのが定番です。無料で、荒天の場合は順延せず中止になります。
秋と12月:大石公園の丸いコキアは10月ごろに赤く色づき、11月のほぼひと月はもみじ回廊を中心に「富士河口湖紅葉まつり」。11月中旬には大きなウォーキング大会もあります。12月は「富士山マラソン」で湖の周りの道路が規制され、2026年から2日間の開催になりました。
- 日程は花の具合などで毎年1週間ほど前後します。最新の日程は町の観光公式サイトで確認を。
混雑とオーバーツーリズム対策
河口湖はいまや、日本人にも海外からの旅行者にも東京近郊屈指の人気の日帰り先です。混む時期ははっきりしていて、ゴールデンウィークと芝桜のころ、夏休み、そして11月前半の週末。河口湖駅の周遊バス乗り場の行列、北岸の道路の渋滞、日曜午後の帰りのバスの満席は覚悟しておきましょう。
町も対策を始めています。路上駐車や店舗・宿の駐車場への無断駐車をやめるよう呼びかけ、2026年10月には大型バスに大石公園の駐車場ではなく臨時駐車場を使うよう求めました。2026年の紅葉まつりからは、もみじ回廊近くの第一駐車場が有料・キャッシュレス決済のみに。さらに2027年4月1日から、富士河口湖町では宿泊税(1人1泊200円、2026年の発表時点)がかかり、宿で支払います。SNSで話題になったコンビニ前や忠霊塔の混雑については「東京から富士山へ」のガイドにまとめています。
- できれば平日に、9時前に湖に着くように。東京からのバスより先に動けて、昼に雲がかかる前の富士山も見られます。
- 湖の周辺にはごみ箱がほとんどありません。ごみは持ち帰りましょう。
東京からの行き方
いちばん手軽なのは高速バスです。バスタ新宿から河口湖駅まで、道路がすいていれば1時間45分〜2時間ほど。2026年秋のダイヤ改正で、朝のピークは最短10分間隔になりました。京王と富士急の共同運行ですが、座席の予約サイトは会社ごとに分かれていて、予約したあとに相手の会社の便へ変更することはできません。東京駅や渋谷からの便もあります。週末は行きを予約するときに帰りの席も押さえておきましょう。
電車なら、新宿から河口湖まで乗り換えなしの特急「富士回遊」が1日に数本あり、約2時間です。新宿からは多くが特急「かいじ」に併結して走り、大月で切り離されます。ほかにはJR中央線で大月へ行き、富士急行線に乗り換える方法。普通列車で約1時間です。富士急の特急は2026年3月のダイヤ改正で午前中中心の運転になりました。ジャパン・レール・パスで乗れるのは大月までのJR区間だけ。訪日外国人向けのJR東京ワイドパスは河口湖まで使えますが、座席指定は必要です。
車なら、都心から中央自動車道の河口湖ICまで空いていれば約1時間30分。問題は帰りで、日曜夕方の小仏トンネル付近の渋滞で倍近くかかることもあります。
湖の周辺では、河口湖駅から色分けされた周遊バスが出ています。レッドラインは河口湖を一周、グリーンラインは西湖へ、ブルーラインは鳴沢・精進湖・本栖湖へ。周遊バスと、富士急行線も含めた2日間の乗り放題きっぷが駅で買えます。
- レッドラインは本数が多いものの、グリーンラインとブルーラインはぐっと少なめです。西湖や本栖湖からの最終バスは出発前に確認を。
日帰りか、一泊か
河口湖だけなら日帰りで十分です。朝早いバスで着いて、レッドラインで北岸へ。美術館か大石公園を回り、郷土料理のほうとうを食べて、夕方のバスで帰る。本栖湖の芝桜や西湖のいやしの里根場まで足を延ばすと、バスの本数が少ないぶん長い一日になります。
夜の行事が目当てなら一泊を。8月と冬の花火は20時ごろから、紅葉のライトアップは21時までで、周遊バスの最終便より後になります。泊まれば朝の時間も使えます。富士山がいちばん見えやすく、湖畔も静かな時間帯です。2日あれば、1日目は河口湖、2日目は西湖・精進湖・本栖湖か山中湖へ。富士山の反対側の箱根は別の旅先なので、同じ日に回ろうとしないほうが無難です。
泊まる場所
河口湖温泉の旅館は東岸の船津と浅川に集まっていて、駅から歩けるか、宿の送迎ですぐの距離です。湖の南西に富士山がそびえ、夏と冬の花火もこのあたりで上がります。たとえば駅から歩いて約10分の富士レークホテル、浅川の湖山亭うぶや。
河口や大石の北岸は湖越しに富士山を正面に望み、夜は静か。もみじ回廊や大石公園にも近く、秀峰閣湖月などがあります。車がないとレッドラインかタクシー頼みになるので、送迎の有無を確認しておきましょう。
河口湖駅の周辺や富士吉田にはビジネスホテルやゲストハウスがあり、夜遅く着く日や始発のバスで帰る日に便利です。西湖には家族経営の民宿もあります。祭りの週末や11月は、数か月前の予約が安心です。