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東京のおすすめ日本庭園:季節ごとの選び方

東京には、将軍や大名の屋敷跡、明治の実業家の別邸、江戸の町人が開いた花の庭まで、見きれないほどの日本庭園があり、その多くが数百円で入れます。このページでは代表的な庭園を比べ、季節ごとにどこへ行くか、入園券や年間パスポート、ルールをまとめました。下の一覧では、これらの庭園の夜間公開などのイベントを毎日更新しています。

晩秋の光に照らされた清澄庭園の池と涼亭
写真: Guilhem Vellut from Annecy, France, CC BY 2.0, Wikimedia Commons

庭園の選び方

東京の名園の多くは、池を中心に島や築山、橋を配し、歩くたびに景色が変わる回遊式庭園です。このうち9つは東京都公園協会が管理する都立庭園で、浜離宮恩賜庭園、旧芝離宮恩賜庭園、小石川後楽園、六義園、旧岩崎邸庭園、向島百花園、清澄庭園、旧古河庭園、殿ヶ谷戸庭園です。新宿御苑は国民公園、皇居東御苑は宮内庁の管理で、八芳園のように庭を一般に開いている民間の施設もあります。

ひとつだけ選ぶなら目的で決めましょう。王道の大名庭園なら六義園か小石川後楽園、水辺と高層ビルの眺めなら浜離宮、芝生とピクニック、長い桜の季節なら新宿御苑、無料で江戸城の歴史に触れるなら東御苑。静かな池と磯渡りなら清澄庭園、バラと石造りの洋館なら旧古河庭園、野の花と江戸の町人文化なら向島百花園、西の郊外で半日ゆっくり過ごすなら殿ヶ谷戸庭園です。

代表的な5つの庭園を比べる

駒込の六義園は、将軍綱吉の側用人柳沢吉保が1695年から和歌の名所を映して造った庭園です。大きな庭園の中ではいちばんしっとりとした雰囲気で、3月下旬の大きなしだれ桜と晩秋の紅葉ライトアップで知られます。東京ドームのすぐ隣の小石川後楽園は1629年に造園が始まった都内に現存する最古の大名庭園で、円月橋や紅葉に囲まれた朱塗りの通天橋など中国風の趣向も見どころです。

浜離宮恩賜庭園は東京湾に面した将軍家の別邸で、都内の江戸庭園で唯一、今も海水を引き入れる潮入の池があります。池に浮かぶ茶屋、早春の菜の花畑、背後の汐留のビル群が印象的で、浅草からの水上バスが専用の発着場に着きます。新宿御苑は日本庭園、イギリス風景式庭園、フランス式整形庭園が並ぶ広大な庭で、約70品種900本の桜と、毎年11月1日から15日の菊花壇展で知られますが、酒類の持ち込みや球技は禁止と、公園より決まりが厳しめです。皇居東御苑は江戸城の本丸・二の丸跡にある無料の庭で、石垣や天守台、二の丸庭園の池を歩けます。月曜と金曜は休園です。

  • 六義園と旧古河庭園には共通入園券「園結びチケット」が、浜離宮と旧芝離宮にも共通券があります。
  • 5つの庭園はそれぞれ当サイトに専用ページがあり、歴史や季節の行事、アクセスを詳しく紹介しています。

清澄庭園と旧古河庭園:明治・大正の庭

旧古河庭園の石造りの洋館とその下に咲くバラ
写真: Guilhem Vellut from Annecy, France, CC BY 2.0, Wikimedia Commons

清澄庭園は三菱を創業した岩崎家の庭園です。1878年に岩崎弥太郎が荒れていた屋敷跡を買い取り、自社の汽船で全国から名石を集めたため、広い池を囲む「石の庭」のような趣があります。池の端に石を飛び飛びに置いた磯渡りを歩けば、1909年に英国のキッチナー元帥を迎えるために建てられた池に張り出す涼亭や、芭蕉の「古池や」の句碑に出会えます。アオサギやカワウが見られ、冬にはカモの仲間も飛来します。清澄白河駅から徒歩3分で、周辺のコーヒー店や東京都現代美術館と組み合わせやすい場所です。

旧古河庭園は斜面に3つの庭を重ねた造りです。丘の上にはジョサイア・コンドル最晩年の作で1917年完成の石造りの洋館、その下にバラの洋風庭園、低地には京都の庭師、七代目小川治兵衛による心字池の日本庭園があります。バラの見頃は5月と10月で、春と秋にバラフェスティバルが開かれます。洋館は大谷美術館の管理で入館料が別にかかり、予約制のガイドツアーがあり、館内は撮影禁止です。JR京浜東北線の上中里駅と東京メトロ南北線の西ヶ原駅からそれぞれ徒歩約7分です。

向島百花園、殿ヶ谷戸庭園、八芳園

初夏の緑に包まれた向島百花園のハギのトンネル
写真: Irina Gelbukh, CC BY-SA 3.0, Wikimedia Commons

向島百花園は大名庭園とは趣の違う庭です。骨董商の佐原鞠塢が江戸の文人墨客の協力を得て文化・文政期に開いた花の庭で、最初は360本の梅が中心でした。その後、詩歌に詠まれた草花が植えられ、今も小さく素朴な庭に秋の七草や、9月に花が咲く長さ約30メートルのハギのトンネルがあり、古くから続く月見の会も開かれます。東武スカイツリーラインの東向島駅から徒歩約8分で、東京スカイツリーからも近い場所です。

国分寺駅から徒歩2分の殿ヶ谷戸庭園は、武蔵野の段丘の崖を生かした庭です。上の明るい芝生から崖下へ下ると湧水の池と林、竹林があり、紅葉亭からは11月下旬から12月上旬に見頃を迎えるモミジを見下ろせます。1913年から15年にかけて別荘として造られ、のちに岩崎家の別邸になりました。開発計画から庭を守る住民運動を経て、1974年に都が買い取っています。起伏が大きいので歩きやすい靴で。

白金台の八芳園は婚礼や宴会の会場として知られる民間の施設で、約400年の歴史をもつ池泉回遊式の庭園があります。樹齢500年を超えるといわれる盆栽や、抹茶をいただける茶室「夢庵」もあります。庭は通常、気軽に散策でき、晩秋にはライトアップも行われます(入場条件は公式サイトで確認を)。ただし挙式や撮影が優先なので、少し距離をとって歩きましょう。白金台駅2番出口から徒歩1分です。ほかに、上野近くの旧岩崎邸庭園(1896年のコンドル設計の洋館と芝庭)や、浜松町駅そばの小さな江戸庭園旧芝離宮恩賜庭園も寄り道する価値があります。

庭園の一年

国分寺の殿ヶ谷戸庭園、林の谷で色づくモミジ
写真: 福原邦展, CC BY 3.0, Wikimedia Commons

冬の終わりは2月の梅から始まり、向島百花園、小石川後楽園、浜離宮で楽しめます。浜離宮の菜の花畑は2月下旬から黄色に染まります。桜の季節は3月下旬の六義園のしだれ桜から、4月中旬から下旬の新宿御苑の八重桜まで続きます。4月中旬からは六義園や清澄庭園のツツジ、5月上旬には向島百花園の藤棚、5月には旧古河庭園のバラが咲きます。

6月は花菖蒲の季節で、小石川後楽園の菖蒲田、清澄庭園、東御苑の二の丸庭園がきれいです。夏は暑く静かで、無料の庭園ガイドは7月と8月はたいてい休止します。9月には向島百花園のハギ、小石川後楽園のヒガンバナが咲き、中秋の名月のころには月見の催しがあります。旧古河庭園の秋のバラは10月が見頃です。

11月には松の雪吊りが始まり、新宿御苑や向島百花園では菊が飾られます。11月下旬から12月上旬は紅葉で、六義園と小石川後楽園では例年、有料の夜間ライトアップが行われ、殿ヶ谷戸庭園の谷も見頃を迎え、八芳園も庭をライトアップします。近年は秋に都立9庭園をめぐるスタンプラリーも開かれています。冬はツバキやロウバイが咲き、浜離宮では近年1月3日に放鷹術の実演が行われています。

入園料、年間パスポート、マナーと撮影

都立庭園の入園料は大人150円から400円(2026年時点)で、小学生以下は無料です。みどりの日(5月4日)と都民の日(10月1日)は9庭園とも無料公開日で、そのぶん混み合います。開園時間はおおむね午前9時から午後5時(入園は午後4時30分まで)、休園日は12月29日から1月1日です(向島百花園は1月3日まで)。窓口では交通系ICカード、クレジットカード、コード決済が使え、オンラインで当日券を買える庭園もあります。

東京都公園協会は、発行日から1年間9庭園すべてに入れる「都立9庭園共通年間パスポート」を各庭園の窓口で販売しています。2026年時点で一般4,000円、65歳以上2,000円で、庭園ごとの年間パスポートもあります。9庭園に1回ずつ入っても合計2,000円ほどなので、元が取れるのは何度も通う場合、たとえばひとつの庭の四季を追いかけたい人です。短い旅行なら、普通の入園券や共通券のほうがお得です。

庭園は文化財なので、公園より決まりが厳しめです。ペットは入れず(補助犬は可)、園路を外れず、苔や石、ロープの内側には入らないこと。声も控えめにしましょう。旧古河庭園では敷物の利用や酒類の持ち込みを遠慮するよう呼びかけていて、新宿御苑は酒類禁止です。普通のスナップ写真はどこでも問題ありませんが、モデル撮影や商業撮影には事前の申請が必要で、旧古河庭園と殿ヶ谷戸庭園ではコスプレ撮影はできません。旧古河庭園は混雑期に三脚、一脚、自撮り棒の使用を禁止しています。工事で園路が閉鎖されたり池の水位が下がったりすることもあるので、撮影目的なら都立庭園の公式ページでお知らせを確認しましょう。

  • 多くの都立庭園で土日に無料の庭園ガイドがあり、英語のガイドがある庭園もあります。7月と8月はたいてい休止です。
  • 庭園の茶屋でいただく一服の抹茶は休憩で、茶道の体験とは別ものです。本格的な茶会は茶道のガイドを参考に。
  • 雨の日こそ庭園へ。濡れた苔や石は色が深まり、人も少なくなります。滑りにくい靴で出かけましょう。

注目のイベント

すべてのイベント(開催が近い順) 10

イベント一覧は毎日更新しています。

よくある質問

東京でいちばんおすすめの日本庭園はどこですか。

初めてなら、王道の大名庭園である六義園か小石川後楽園です。水辺と高層ビルの景色なら浜離宮、広さと桜なら新宿御苑がおすすめです。

東京で無料で入れる日本庭園はありますか。

皇居東御苑は無料で、八芳園の庭も通常は気軽に散策できます。都立9庭園は5月4日と10月1日が無料公開日です。

都立9庭園の年間パスポートはお得ですか。

何度も通うならお得です。2026年時点で4,000円ですが、9庭園に1回ずつ入っても合計2,000円ほどです。

東京の日本庭園はいつ行くのがいいですか。

桜は3月下旬、ツツジとバラは5月、花菖蒲は6月、紅葉は11月下旬から12月上旬です。どの季節も平日の朝がいちばん静かです。

庭園で三脚は使えますか。

スナップ写真は自由ですが、ルールは庭園ごとに違います。旧古河庭園は混雑期に三脚・一脚・自撮り棒が禁止で、モデル撮影や商業撮影はどこでも事前申請が必要です。

夜も庭園に入れますか。

ほとんどは午後5時閉園です。六義園と小石川後楽園は桜や紅葉の時期に有料のライトアップを行い、八芳園も晩秋に庭をライトアップします。

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