六義園とは
六義園は、五代将軍徳川綱吉の側用人だった柳沢吉保が、元禄8年(1695年)に綱吉から与えられた駒込の下屋敷に造った庭園です。吉保自らが設計と指揮にあたり、池を掘り山を築いて7年をかけて完成させました。名前は和歌の六つの分類「六体」に由来し、紀州和歌の浦の景色や和歌に詠まれた名所が「八十八境」として園内に映されています。
明治に入ると三菱の創業者岩崎彌太郎の所有となり、昭和13年(1938年)に東京市へ寄付されて一般公開されました。昭和28年(1953年)には国の特別名勝に指定されています。古くから、小石川後楽園と並ぶ江戸の二大庭園に数えられてきました。
園内の見どころ
正門から内庭大門をくぐると、すぐに高さ約15メートル、幅約20メートルのしだれ桜が迎えてくれます。その先に中の島を浮かべた大泉水が広がり、島には男女を表す築山「妹山・背山」があります。池畔の出汐湊からは、中の島と蓬莱島を一度に見渡せます。
園路はやがて標高約35メートル、園内でいちばん高い築山の藤代峠へ上り、池全体を見下ろせます。奥へ進むと、明治時代につつじの古木で建てられた四阿「つつじ茶屋」、樹林の中で滝の音を聞ける「滝見茶屋」、2枚の大岩を渡した石橋「渡月橋」と続きます。池のほとりの「吹上茶屋」では、水面を眺めながら抹茶と和菓子をいただけます。
- 土日祝には無料の庭園ガイドがあり、外国の方向けの英語のガイドも第1・第3日曜日に行われます(7月と8月は休止)。
- 駐車場はありません。電車で行きましょう。
- 園内マップは入口でもらえます。見どころごとに和歌にちなむ名前の札が立っています。
六義園の一年
春はしだれ桜から始まります。見頃は例年3月下旬で、ソメイヨシノより少し早めです。開花に合わせて夜間特別観賞が開かれる年が多く、ライトアップされた桜を楽しめます。4月中旬から5月にかけてはツツジとサツキが咲き、この時期の混み合う日には駒込駅近くの染井門が開くこともあります。
夏は比較的静かで、6月にはアジサイが咲きます。11月には松に雪吊りが施され、作業を公開する見学会が開かれることもあります。紅葉の見頃は11月下旬から12月上旬で、一年でいちばん混み合う時期です。近年は夜に再開園して紅葉をライトアップする夜間特別観賞が行われ、専用の入園券が必要です。冬はウメやツバキ、ロウバイが咲きます。
時間帯・入園券・マナー
開園時間は通常午前9時から午後5時(入園は午後4時30分まで)で、休園日は12月29日から1月1日の年末年始です。昼間の入園券は入口の窓口で買え、交通系ICカードやクレジットカード、コード決済が使えます。オンライン入園券は購入当日のみ有効です。みどりの日(5月4日)と都民の日(10月1日)は無料公開日で、そのぶん混雑します。
夜間特別観賞は昼の入園券とは別の観賞券が必要です。前売券はオンライン販売で、1日あたりの枚数に限りがあり、オンライン購入なら優先レーンから入れます。見頃の週末は早めに買っておきましょう。昼にゆっくり歩くなら、平日の開園直後がおすすめです。
六義園は特別名勝のため、ペットは入園できません。園路から外れないようにしましょう。来園者の記念撮影は自由ですが、モデル撮影や婚礼の前撮りには事前の申請が必要です。護岸の補修工事で池の水位が数か月下がることもあるので(2026年は5月から11月ごろまでの予定)、写真目的なら公式のお知らせを確認してから出かけてください。
アクセスと周辺
JR山手線と東京メトロ南北線の駒込駅から正門まで徒歩約7分です(JRは南口が便利)。染井門が開く日は、駅から徒歩約2分で入れます。都営三田線の千石駅からは徒歩約10分です。
庭園のすぐそばには、東洋学の図書館が貴重な本や地図を展示する東洋文庫ミュージアムがあります。北へ少し歩けば、洋館とバラ園、日本庭園がそろう旧古河庭園があり、六義園との共通入園券「園結びチケット」も使えます。山手線でひと駅の巣鴨には地蔵通り商店街、さらに数駅先には池袋があります。