特別展と常設展の違い
日本の美術館・博物館の展示は大きく二つに分かれます。駅にポスターが貼られているのは特別展や企画展で、ほかの館から借りた作品を集め、料金は別で高め、会期は2か月ほどが一般的です。もう一つは常設展(コレクション展)で、館が持つ作品を見せるもの。料金が安く、特別展のチケットで一緒に見られることもあり、たいていずっと空いています。
国立新美術館や上野の森美術館のように、収蔵品の展示がなく企画展だけを開く館もあります。一方、東京国立博物館のように常設展だけで半日かかる館もあります。人気の特別展が混み合っているときほど、同じ館のコレクション展が穴場になります。
主なエリアと美術館
いちばん大きな集積地は上野公園で、JR上野駅の公園口からすぐです。東京国立博物館は刀剣や着物から国宝まで、日本美術の最大のコレクションを持っています。ル・コルビュジエ設計で世界遺産に登録された国立西洋美術館は、前庭にロダンの彫刻が並び、西洋美術の名品がそろいます。東京都美術館と上野の森美術館では大型の巡回展が開かれ、隣の国立科学博物館では恐竜や宇宙の展示が見られます。
六本木には歩いて回れる三館があります。六本木ヒルズの高層階にある森美術館は現代美術が中心で、ほとんどの日は夜遅くまで開いています。波打つガラスの建物が目印の国立新美術館は、国内最大級の展示スペースを持つ館です。東京ミッドタウンのサントリー美術館は日本の美術工芸を扱います。
丸の内・京橋周辺には、赤れんがのオフィスビルを復元した三菱一号館美術館、駅舎の中にある東京ステーションギャラリー、アーティゾン美術館、皇居近くの東京国立近代美術館があります。東側では、コーヒーロースターの多い清澄白河に東京都現代美術館(MOT)があります。デジタルアートなら豊洲と麻布台のチームラボ、三鷹には三鷹の森ジブリ美術館があります。
チケット、混雑、行く時期
人気の展覧会はオンラインで買うのが基本です。最近の大型展は日時指定券が多く、週末の枠は売り切れることもあります。ジブリ美術館やチームラボのように前売りのみの施設もあり、ジブリ美術館は毎月10日に翌月分のチケットが発売されます。ネットで買っておけば、当日券売り場の列にも並ばずに済みます。
混雑にははっきりした傾向があります。会期末の2〜3週間がいちばん混み、週末と祝日は平日よりずっと混みます。できれば会期の早いうちに、平日の朝か夜間開館の時間帯に行くのがおすすめです。金曜日(館によっては土曜日も)に夜まで開いている館があり、この時間帯は比較的ゆったり見られます。
- 休館日を必ず確認しましょう。多くは月曜休館(祝日なら翌日)ですが、国立新美術館とサントリー美術館は火曜休館です。
- 大型展の入れ替え期間は、1〜2週間ほど展示室が閉まることがあります。
- グッズ売り場にも列ができ、人気の商品は会期末に売り切れがちです。
無料日、割引、音声ガイド
常設展が無料になる日もあります。近年は上野の国立の館が国際博物館の日(5月18日)と文化の日(11月3日)に、都立の館が都民の日(10月1日)に、コレクション展などを無料にしています。国立西洋美術館は原則として毎月第2日曜日に常設展を無料公開しています。特別展はたいてい対象外です。学生やシニアの割引も多く、国立の館の常設展は18歳未満が無料のことが多いので、身分証を持っていきましょう。
音声ガイドは人気で、有名俳優がナビゲーターを務めることもよくあります。大型展では入口で有料で借りられ、英語版がある展示も多いですが、すべてではありません。スマートフォンのアプリで聴く形式も増えているので、イヤホンがあると便利です。
館内のルール:撮影、荷物、ロッカー
撮影のルールは展覧会ごとに違います。特別展は撮影禁止のことが多く、一部の部屋だけ撮影可という展示もあり、常設展はフラッシュなしなら撮れる館もあります。入口の「撮影可」「撮影禁止」の表示を確認しましょう。動画や自撮り棒はほぼどこでも禁止です。
大きなかばんやリュックはロッカーに預けるよう求められることが多く、多くの館のロッカーは荷物を出すと100円が戻ってきます。展示室ではペンが使えないことが多いので、メモは鉛筆で。館内は冷房が効いているので、夏は羽織るものがあると安心です。雨の日の行き先にもぴったりですが、雨の週末は同じことを考える人が多く、混みがちです。
- ロッカー用に100円玉を一枚。使い終わると戻ってきます。
- 傘は入口の鍵付き傘立てへ。濡れた傘は展示室に持ち込めません。