水戸徳川家の庭
水戸藩の初代藩主・徳川頼房が1629年に江戸の中屋敷の庭として造り始め、二代藩主の光圀の代に完成しました。光圀は明の儒学者・朱舜水の意見を取り入れ、「天下の憂いに先立って憂い、天下の楽しみに後れて楽しむ」という中国の教えから「後楽園」と名づけました。この名前はやがて周辺一帯の地名にもなり、隣の球場もかつて後楽園球場と呼ばれていました。
園内には海、川、山道、田園と、日本と中国の名所を写した景色が一つの散策路にまとめられています。1938年に一般公開されました。国の特別史跡と特別名勝の二重指定を受けている都立庭園は、ここと浜離宮恩賜庭園の二つだけです。
見どころ
飯田橋側の西門から入る人が多いです。庭園の正門にあたる唐門は2020年末に復元されました。その先に広がるのが海を表す大泉水で、中には亀の形をした蓬莱島があり、弁財天を祀る祠が見えます(島には渡れません)。
水辺には中国杭州の西湖の堤を模した石の堤「西湖の堤」があり、渓谷を進むとモミジに囲まれた朱塗りの通天橋に出ます。さらに奥の円月橋は朱舜水の設計と伝わる石橋で、日本でも古い石橋の一つです。半円のアーチが水面に映って満月のように見えるのが名前の由来です。山の上の得仁堂は、造園当時から残る唯一の建物です。
西門近くの涵徳亭には、抹茶と和菓子をいただける茶寮や昼食のとれるお店があります。営業日と時間は変わるので、事前に確認すると安心です。
- 園路には石段やでこぼこ道があります。雨のあとは特に、歩きやすい靴で。
小石川後楽園の一年
四季を通して花が楽しめる庭です。紅白の梅が咲く梅林は2月上旬から3月にかけてが見頃。3月下旬には西門近くのシダレザクラが春の主役になり、そのあとに藤が続きます。6月には菖蒲田の約660株の花菖蒲が咲き、アジサイも見頃に。夏は池に蓮の花が浮かびます。
9月はヒガンバナの季節です。紅葉は11月中旬ごろから色づき始め、例年11月下旬に通天橋周辺のモミジが真っ赤になります。近年は紅葉の時期に有料の夜間ライトアップも行われています。冬はツバキやロウバイが咲きます。
覚えておきたい日もあります。みどりの日(5月4日)と都民の日(10月1日)は入園無料。近年は文化の日(11月3日)に唐門や得仁堂の特別公開も行われています。秋には九つの都立庭園をめぐるスタンプラリーもあります。
時間、入園券、ガイド
開園は毎日9時から17時まで(入園は16時30分まで)で、休みは年末年始だけです。入園料は少額で、小学生以下は無料。入口ではクレジットカード、交通系ICカード、主なQRコード決済が使え、当日有効のWEBチケットも買えます。夜間ライトアップは別のチケットが必要です。
無料の庭園ガイドは、日本語が土日・月曜・祝日、英語が土曜日に行われています(7月と8月はお休み)。六義園、浜離宮、清澄庭園などもまわるなら、九つの都立庭園に使える年間パスポートが入口で買えます。
いちばん静かなのは平日の朝です。花や紅葉の見頃の週末は昼までに混み合い、東京ドームで試合やコンサートがある日は駅周辺が混雑します。静かな庭なので、園路から外れず、話し声も控えめにしましょう。
- ガイドは天候で中止になることがあります。英語ガイドに参加したい人は晴れた土曜日を狙って。
アクセスと周辺
西門は都営大江戸線飯田橋駅のC3出口から徒歩約3分、JR・東西線・有楽町線・南北線の飯田橋駅からは徒歩約8分です。東門はJR水道橋駅西口から徒歩約5分、丸ノ内線・南北線の後楽園駅から徒歩約6分、都営三田線水道橋駅から徒歩約8分。駐車場はありません。
隣は東京ドームシティで、野球やコンサートの東京ドーム、ボクシングやプロレスの後楽園ホールがあります。飯田橋からは神楽坂へ歩いて夕食に行くのもおすすめです。同じ文京区の大名庭園・六義園は北へ電車ですぐ、秋葉原や神田明神も数駅の距離です。