東京駅と赤レンガ駅舎
東京駅は1914年12月に開業し、長く伸びる赤レンガの丸の内駅舎は国の重要文化財です。戦災で損傷したあとは3階建てを2階建てにして再建されていましたが、2012年に3階部分と南北のドームが戻り、創建当時の姿に復原されました。南北どちらかのドームの下に入って見上げると、復原されたレリーフに8羽の大鷲と、十二支のうち8つの干支の彫刻が並んでいます。
駅舎は現役の駅として使われ、中には東京ステーションホテルと東京ステーションギャラリーも入っています。ギャラリーは1988年に北ドーム内に誕生した美術館で、創建時のレンガ壁がむき出しの展示室で企画展を開いています。駅舎の前は広い駅前広場で、そこから行幸通りが皇居へまっすぐ西に延びています。イチョウ並木に挟まれた幅の広い通りで、中央の石畳は2010年から歩行者が歩けるようになりました。
駅舎全体を眺めるなら、広場の向かいにある旧東京中央郵便局の建物、KITTEへ。6階の屋上庭園「KITTEガーデン」は入場無料で夜まで開いていて、駅舎と線路を真上から見下ろせます。悪天候のときは閉鎖されます。
丸の内:仲通り、美術館、冬の灯り
丸の内仲通りは駅の一本西を南北に走る通りで、オフィスビルの1階にショップやカフェ、レストランが並びます。並木が続き、どの時間帯に歩いても気持ちのいい通りです。途中にある丸の内ブリックスクエアには小さな庭園と三菱一号館美術館があります。1890年代の赤レンガのオフィスビルを復元した建物で19世紀の美術を紹介しており、長期休館を経て2024年11月に再開館しました。KITTEの下層階にはショップと、大学のコレクションをもとにしたミュージアム「インターメディアテク」があります。
冬の仲通りは東京を代表するイルミネーションの散歩道です。街路樹が1キロ以上にわたってシャンパンゴールドの灯りに包まれ、20年以上毎冬続いています。近年は11月から2月にかけて点灯し、周辺でクリスマスマーケットが開かれた年もあります。晩秋には行幸通りのイチョウが黄色く色づき、皇居へ向かう短い散歩が写真映えします。
知っておくと便利なことが二つあります。一つは無料巡回バス「丸の内シャトル」で、大手町、丸の内、有楽町を15〜25分間隔で回っています。もう一つはエリア南端の東京国際フォーラムの広場で月2回ほど週末に開かれる「大江戸骨董市」で、約250店が並び、入場無料です。8月と雨の日は開かれません。
- イルミネーションは無料で、日没後に点灯します。12月は週末より平日の夜のほうが落ち着いて見られます。
- 骨董市には現金を持っていきましょう。カードが使える店は少なく、いい品は早い時間になくなります。
駅ナカの楽しみ:キャラクターストリートとラーメンストリート
駅の東側、八重洲側にある東京駅一番街の地下は、観光客の多くが立ち寄る場所です。東京キャラクターストリートには、テレビ局のキャラクターやアニメ、ゲーム、子ども番組のショップが並び、小さなイベントスペースでは数週間ごとに期間限定のポップアップやプロモーションが入れ替わります。隣の東京ラーメンストリートには有名ラーメン店が並び、東京おかしランドには大手菓子メーカーの店が集まっていて、ここでしか買えない味もあります。
東京駅はとても広く、改札の内側にも外側にも数多くの出口と商業エリアがあります。キャラクターストリート、ラーメンストリート、おかしランドは改札の外にあるので、乗車券がなくても行けます。八重洲側の案内表示に従って歩きましょう。丸の内側からは駅を横切って数分かかります。
- ラーメンストリートは昼と夜に長い行列ができます。午前中や午後の中途半端な時間ならかなり短くなります。
- 八重洲口周辺のコインロッカーは昼前に埋まることが多いです。丸の内側やKITTEのロッカーも選択肢です。
- キャラクターストリートのポップアップは入れ替わりが早く、初日は行列になることもあります。事前に店のページを確認しましょう。
日本橋:橋と老舗の街
最初の日本橋が架けられたのは1603年で、江戸時代には五街道の起点でした。現在の石造二連アーチ橋は1911年の完成で、国の重要文化財です。照明柱の翼のある麒麟や獅子の青銅像、そして道路の中央にある日本国道路元標を探してみてください。橋の上には今も首都高速が通っていますが、地下化の工事が始まっていて、高架は2040年ごろに撤去される計画です。橋のたもとの船着場からは観光船も出ています。
周辺は江戸の商人の街で、今もその雰囲気が残っています。日本橋三越本店のルーツは1673年創業の呉服店で、入口の2体のライオン像や中央ホールの大きな天女像で知られる本館は、それ自体が重要文化財です。道を挟んだコレド室町の隣には2014年に再建された福徳神社があり、小さな広場で季節のイベントが開かれます。江戸時代創業の老舗も多く、鰹節、海苔、お茶、刃物、和紙などを今も商っています。
決まった日付で覚えておきたいのが、毎年10月19日と20日の「べったら市」です。小伝馬町駅近くの宝田恵比寿神社の周りに、甘い大根の漬物「べったら漬」の店や屋台がずらりと並びます。
- 日本橋の老舗は夕方早めに閉まる店や、土日祝が休みの店もあります。昼間に訪ねましょう。
- 手土産やお弁当を買うなら、デパ地下がいちばん手軽です。
アクセスと周辺
東京駅にはJR山手線、中央線、京浜東北線などのJR各線、北と西へ向かう新幹線、東京メトロ丸ノ内線が乗り入れています。すぐ北の大手町駅には地下鉄5路線が通り、千代田線の二重橋前駅は行幸通りの皇居側の端に近い駅です。日本橋へは日本橋駅(銀座線、東西線、都営浅草線)か三越前駅(銀座線、半蔵門線)が便利です。これらの駅や周辺のビルの多くは地下通路でつながっているので、雨の日や暑い日に助かります。
このエリアはどこも歩いて回れます。皇居東御苑は西へすぐ、銀座は有楽町を抜けて南へ15分ほど、秋葉原は山手線で2駅です。冬のおすすめは、夕暮れに駅舎のドームとKITTEの屋上庭園を見て、丸の内で夕食をとり、灯りのともる仲通りを有楽町や日比谷へ歩くコースです。