東京タワーとはどんな場所か
東京タワーは1958年12月、関東一円のテレビ・ラジオの総合電波塔として開業しました。高さ333mで、長いあいだ日本一高い塔でした。いまは電波塔の役目の多くを東京スカイツリーに譲り、予備の電波塔を務めながら、都心のまんなかから街を眺める展望塔として親しまれています。
隣の増上寺は、タワーより500年以上古いお寺です。1393年に開かれ、1598年、江戸に入った徳川家康が菩提寺に定めて現在の芝の地に移りました。境内には6人の将軍が眠っています。寺を囲む芝公園は、1873年に旧境内を公園地として、上野や浅草などと並ぶ日本最初の公園のひとつになりました。
見どころ:増上寺からトップデッキまで
大門や芝公園駅のほうから歩くと、まず増上寺の三解脱門に出ます。1622年の建立で、創建当時から残る唯一の建物です。2025年に始まった約10年がかりの保存修理工事が続いているため、覆われた姿になっています。その先の大殿は、屋根のすぐ後ろに東京タワーがそびえる構図で知られる撮影スポットです。脇には毛糸の帽子をかぶり風車を添えた小さな地蔵がずらりと並び、1673年に鋳造された大梵鐘は朝夕に撞かれます。奥の徳川将軍家墓所は有料で公開時間が限られ、火曜日はおおむね休みです。
タワーの足元のフットタウンには、フードコートや公式ショップ、カフェが入っています。高さ150mのメインデッキには足元がガラスになった「スカイウォークウィンドウ」があり、真下をのぞき込めます。空気の澄んだ日、とくに冬は西に富士山が見えることもあります。高さ250mのトップデッキは2018年に幾何学的な鏡とLED照明の空間にリニューアルされ、トップデッキツアーでだけ上がれます。
- スカイウォークウィンドウはメインデッキの下の階にあります。子どもには大人気です。
- 大殿とタワーを一緒に撮るなら、夕方、大殿の石段の近くから正面を向くのがおすすめです。
東京タワーと増上寺の一年
いちばんにぎわうのは冬から正月です。大晦日の夜、増上寺は除夜の鐘とライトアップされたタワーの下でのカウントダウンを目当てにした人であふれ、元日にはタワーが通常より早く開館してメインデッキで初日の出を見る有料の催しを開くのが恒例です。2月初めの節分には増上寺で豆まきが行われ、著名人が舞台に立つこともあります。3月下旬から4月初めは、境内と芝公園の桜が見ごろです。
4月上旬から5月にかけては、タワーの高さにちなんだ333匹のこいのぼりが泳ぎます。2009年から続く春の名物です。6月の夏至のころには増上寺でキャンドルナイトがあり、境内に数千のキャンドルが灯って、近年はタワーも一時消灯しています。10月には例年、芝公園と増上寺で港区民まつりが開かれ、秋から冬にかけてはタワーとフットタウンで季節のイベントが続きます。
ライトアップも季節で変わります。定番の「ランドマークライト」は10月上旬から温かみのあるオレンジ色、7月7日からは涼しげな白に切り替わります。毎週月曜と木曜の夜には、17段268灯のLEDによる「インフィニティ・ダイヤモンドヴェール」が月ごとの色で灯り、記念日やキャンペーンには特別な色になります。当日の点灯内容は公式サイトで確認できます。
チケット、外階段、時間帯とマナー
メインデッキのチケットはWEBでも窓口でも買え、展望台は夜遅くまで開いていて、最終入場は閉館の30分ほど前です。トップデッキツアーは入場時間の指定制なので、WEBで事前に予約するのが基本で、枠が残っていれば当日窓口でも買えます。指定時間に遅れるとトップデッキ分は無効になりますが、メインデッキは見学できます。
楽しいのはオープンエアの外階段です。フットタウン屋上からメインデッキまで約600段、12分から13分ほどで上がれます。上りは土日祝の日中、下りは毎日開いていて、メインデッキのチケットで利用できます。雨や強風、熱中症警戒アラートの発表時は中止になり、途中でエレベーターに乗り換えることはできません。
展望台がいちばん混むのは週末の夕暮れどきです。1時間ほど早めに上がり、街に灯りがともるまで待つのがおすすめです。平日の朝はゆったりしています。増上寺の参拝は無料で、大殿は早朝から夕方まで開いています。お堂の近くでは静かにし、お参りしている人を撮らないようにしましょう。
- 外階段や一部のツアーは天候で中止になるので、当日に公式サイトを確認しましょう。
- タワーそのものを眺めるなら、展望台より芝公園や増上寺のまわりのほうがきれいに見えます。
アクセスと周辺
最寄りは都営大江戸線の赤羽橋駅で、徒歩約5分です。都営三田線の御成門駅から約6分、東京メトロ日比谷線の神谷町駅から約7分。芝公園駅(三田線)と大門駅(浅草線・大江戸線)からは約10分で、増上寺を通って行けます。JR浜松町駅からは約15分です。
神谷町からは、チームラボボーダレスのある麻布台ヒルズがすぐで、六本木の美術館や夜景へも足をのばせます。芝公園には都の史跡の芝丸山古墳や、小さな渓谷「もみじ谷」があり、木々のあいだからタワーを眺められます。大門から東へ少し長めに歩けば、浜離宮恩賜庭園と海辺です。