神田明神とは
社伝によると、天平2年(730)にいまの大手町、将門塚の近くで創建され、元和2年(1616)にこの地へ移りました。1600年の関ヶ原の戦いの前に徳川家康が戦勝を祈願したと伝わり、江戸全体を守る江戸総鎮守となりました。家康の勝利にちなむ「勝守」は、いまも人気のお守りです。現在は108の町会の氏神さまです。
お祀りしているのは、縁結びの一之宮・大己貴命(だいこく様)、商売繁昌の二之宮・少彦名命(えびす様)、除災厄除の三之宮・平将門命の三柱です。社殿は関東大震災で焼失し、1934年に当時としては画期的な鉄骨鉄筋コンクリート造・総朱漆塗りで再建され、国の登録有形文化財になっています。創建1300年の記念事業として屋根の葺き替えや塗り替えが計画されているので、時期によっては足場がかかっているかもしれません。
見どころ
入口の随神門は1975年に檜で再建された門で、外側には随身像、内側には因幡の白兎の神話をもとにした彫刻があります。門をくぐると朱塗りの社殿が正面に立ち、境内には高さ6.6メートル、石造りでは日本一とされるだいこく様の像、その近くにはイルカや鯛に守られて海を渡るえびす様の像があります。
野村胡堂の小説の主人公で「明神下」に住む岡っ引き、銭形平次の碑(寛永通宝をかたどったもの)や、獅子山の石の獅子、天保年間に神田の町火消が奉納した石段・男坂も探してみてください。祭祀殿の資料館には神田祭のジオラマや社宝が展示されていて、開館は基本的に土日祝のみです。
入口脇の文化交流館EDOCCOは2018年に開館し、オリジナルの授与品やグッズ(アニメとのコラボ品も)のショップ、カフェ、ホールがあります。神田明神は『ラブライブ』の舞台として知られるファンの聖地でもあり、絵馬掛けにはキャラクターを描いた絵馬が並びます。秋葉原らしく、コンピューターの安全を祈る「IT守護」のお守りもあります。
- 御朱印や授与所は日中のみです。いただきたい人は夕方より前に。
- イラスト絵馬は見ていて楽しいですが、どれも誰かの願いです。撮るなら全体を、個人の願い事のアップは控えましょう。
神田明神の一年
いちばん混むのは1月です。元日の初詣に続き、仕事始めには周辺のオフィス街の企業が社員そろってスーツ姿で参拝に訪れ、1月だけで約1万の企業・団体が参拝するといわれます。元日からは商売繁昌の熊手も授与されます。節分の日(2月3日ごろ)には節分祭の豆まきがあります。
神田祭の本祭は西暦の奇数年、5月中旬に行われます。土曜日の神幸祭では、鳳輦や神輿、神職、装束の行列が一日がかりで神田、日本橋、大手町、丸の内、秋葉原など約30キロを巡り、日曜日には約200基の町会神輿が次々と宮入します。江戸時代には行列が江戸城内に入ることを許された「天下祭」で、江戸三大祭のひとつに数えられます。偶数年は陰祭で、神事のみが行われ、大きな行列は出ません。
このほかにも、5月の明神能、6月30日の夏越大祓、7月7日の七夕祭、11月の七五三詣など、一年を通して行事があります。
時間帯、混雑、参拝のマナー
境内の参拝は無料です。いちばん混むのは三が日と、その後の仕事始めの1週間ほどで、平日でも社殿まで列ができます。ゆっくり見たいなら1月上旬は避けましょう。神田祭の日曜日は、朝から神社の周りが人でいっぱいになります。平日の午前や夕方前は落ち着いていて、傾いた日に照らされた朱の社殿がきれいです。
随神門で一礼し、手水舎で手と口を清め、社殿では二拝二拍手一拝。建物の撮影は問題ありませんが、お参りしている人を近くから撮るのは控えましょう。祭りの日は神輿に近づきすぎず、係の人の指示に従ってください。
- 本祭の年は、公式サイトで神幸祭の巡行路を確認し、一か所で待つほうが楽に見られます。
- 祭りの日は長く、人も多くなります。水と現金を持ち、トイレは駅で済ませてから向かいましょう。
アクセスと周辺
JR中央線・総武線の御茶ノ水駅(聖橋口)、東京メトロ丸ノ内線の御茶ノ水駅(1番出口)、千代田線の新御茶ノ水駅、銀座線の末広町駅から、いずれも徒歩5分ほど。JRと日比谷線の秋葉原駅(電気街口)からは坂を上って徒歩7分ほどです。
坂を下ればすぐ秋葉原の電気街とアニメショップ。道を挟んだ向かいには石畳の静かな孔子廟・湯島聖堂があり、北へ少し歩くと2月から3月の梅と合格祈願で知られる湯島天神です。上野へも数駅で、創建の地に近い大手町の将門塚は神幸祭の巡行路にも入っています。