ゴールデン街とは
起源は戦後の闇市です。1950年代には多くの店が飲食店の看板を掲げながら非合法の営業をする「青線」地帯でしたが、1958年の売春防止法施行後は飲み屋の街になりました。1960年代以降は作家や編集者、映画・演劇関係者が集まる場所となり、今も店ごとに店主の色があり、映画、文学、ロック、ジャズなど、それぞれの客層や趣味でつながっています。
1980年代後半のバブル期には激しい地上げに見舞われましたが、店主や常連が会をつくって街を守りました。1990年代には空き店舗が目立ちましたが、2000年代から若い世代の新規出店が続き、海外からの観光客も増えました。2016年4月には火災で3棟が焼け、木造長屋が密集する街であることを改めて思い出させました。
広さは花園神社と遊歩道「四季の路」に挟まれた約2,000坪ほどです。路地には「あかるい花園一番街」「五番街」「八番街」「まねき通り」「G1通り」「G2通り」などの名前があり、北側を新宿三光商店街振興組合、南側を新宿ゴールデン街商店街振興組合が管理しています。区画の端にある大きな案内マップには全店の名前が載っていて、似た扉が並ぶ中で店を探すときに役立ちます。
店の仕組み:席、チャージ、入れる店
多くの店はカウンターに5〜10席ほどで、立ち飲みの店もあります。2階の店は手すりにつかまって上るような急な階段の先にあることも少なくありません。飲み物代とは別にチャージ(席料)がかかる店が多く、1人500〜1,000円前後がよく見られる水準で、お通しが付くこともあります。チャージなしの店もあります。最近は入口に英語でチャージやメニューを書く店も増えましたが、表示がなければ座る前に確認しましょう。
店は客を選びます。「会員制」「常連のみ」と掲げる店や、観光客お断りと明記する店もあり、入口で丁寧に断られるのは普通のことです。一方で、Welcome や English OK の札を出し、旅行者との会話を楽しむ店主もいます。まず扉の中をのぞいて、満席なら次の店へ。
1〜2杯飲んで、店主や隣の客と話し、次の店へ移るのがゴールデン街の流れです。8席の店では1席がそのまま店の売上なので、座ったら早めに注文し、待っている人がいるときに1杯で長居するのは避けましょう。2〜3人なら席を見つけやすく、5人以上だと一緒に入れる店はほとんどありません。
- 入る前に「チャージはいくらですか」と聞けば安心です。
- 現金、特に千円札を用意しましょう。カードが使えない店も多いです。
- 2〜3人で行くのがちょうどいい人数です。
- はしご酒が普通です。1軒1〜2杯が目安。
撮影ルールと路地でのマナー
ゴールデン街の路地は公道ではなく私道です。北側を管理する新宿三光商店街振興組合は、区域内の路上撮影や街そのものを撮影対象とする撮影について、規模を問わず許可を必要としています。許可を受けた撮影では組合の腕章を着け、許諾番号が交付されます。組合の撮影規約では、無断撮影には撮影料金を請求し、注意を無視して続けた場合は警察に通報するとしています。街の各所にも同じ趣旨の掲示があります。
店内での撮影は規約の対象外で、各店の判断です。必ず店の人に確認し、ほかのお客さんは写さないようにしましょう。規約には路上での喫煙・飲食禁止も定められています。路地はとても狭く、立ち話をするだけで通れなくなります。建物には住まいを兼ねるものもあるので、深夜は声を抑えて歩きましょう。
ハロウィンの夜は、新宿区の条例で歌舞伎町1丁目と新宿3丁目の一部での路上飲酒が禁止され、パトロールも入り、路地はかなり混雑します。
- 路地での撮影・動画は許可が必要です。店内は必ず店に確認を。
- たばこは店が認める場所だけで。路地での歩きたばこは厳禁です。
行く時間と、ゴールデン街の一年
三光商店街振興組合によると、営業時間はおおむね午後7時から午前5時ごろです。席を見つけやすく店主とゆっくり話せるのは午後7〜9時ごろ。金曜・土曜の夜10時以降は満席の店が多くなります。昼間は路地も静かで、ほとんどの店が閉まっています。営業日は店ごとに違うので、特定の1軒だけを目当てに予定を組むのは避けたほうが無難です。
街独自のイベントがある年もあります。近年は4月に組合主催の桜まつりがあり、参加店がチャージなし・均一料金でドリンクを出しました。秋には新宿区全体の「新宿まちフェス」に合わせて、チャージ無料の催しに参加した年もあります。内容は年ごとに変わるので、このページのリストで確認してください。
となりの花園神社は、江戸開府より前から新宿の総鎮守とされてきた神社で、ゴールデン街の区画はすべてその氏子地域です。そのため花園神社のお札や熊手を飾る店がたくさんあります。2月の節分祭、5月下旬の例大祭と神輿渡御、8月初めの盆踊り、そして最大の行事である11月の酉の市(大酉祭)では、熊手を売る露店が夜遅くまで境内を埋め、裏手の路地も人であふれます。毎週日曜日には早朝から境内で青空骨董市が開かれます(行事のある日と雨天は中止)。
- 酉の市の夜は一年で一番混みます。席を取るなら早めに。
- 先に神社へ。酉の市の夜は露店も遅くまで開いています。
客引き、安全、アクセス
ゴールデン街に行くのに案内役は必要ありません。靖国通りや歌舞伎町で「安い店がある」「本物のゴールデン街の店に案内する」と声をかけられても、断って歩き続けましょう。新宿区は客引き行為等防止条例で歌舞伎町1・2丁目、新宿2・3丁目、西新宿1丁目を特定地区に指定し、2016年からは過料などの罰則もあります。客引きに頼る店ほど高額請求のトラブルが多いので、不安な店では注文前に料金を確かめ、飲み物から目を離さないようにしましょう。
最寄り駅は東京メトロ丸ノ内線・副都心線、都営新宿線の新宿三丁目駅です。E2出口を出るとすぐ花園神社で、その裏手がゴールデン街です。JR新宿駅東口からは靖国通り沿いに徒歩10分ほど。電車は深夜0時ごろに終わり、始発は午前5時ごろからです。遅くまで開いている店が多いので、2軒目に入る前に終電で帰るか朝まで過ごすかを決めておきましょう。
- 新宿三丁目駅E2出口からが一番の近道です。
- 終電後まで飲むなら、歩いて帰れる新宿のホテルにするとタクシー代がかかりません。