東京のランニングの一年
ロードレースのシーズンは涼しく乾燥した秋から春、おおむね10月から3月です。夏は高温多湿で、7月と8月は大会が少なく距離も短めになり、早朝やナイトランに切り替える人が多くなります。涼しい時期は、公園の5kmファンランから河川敷のハーフマラソンまで、ほぼ毎週末どこかで大会があります。
一年の軸になる大会もあります。世界6大マラソンのひとつ東京マラソンは例年3月の第1日曜日で、新宿の東京都庁を出発し、浅草や銀座を通って東京駅近くでフィニッシュします。東京レガシーハーフマラソンは10月、東京2020パラリンピックのマラソンコースを使い、国立競技場(2026年からの呼称はMUFGスタジアム)を発着します。例年10月下旬の横浜マラソンでは首都高速の一部が通行止めになり、ランナーが走ります。東京西部の山では、10月のハセツネCUP(日本山岳耐久レース)が奥多摩の71.5kmを24時間以内で走り抜けます。
大会エントリーの仕組み
国内の大会の多くは、雑誌『ランナーズ』の発行元が運営するRUNNETでエントリーを受け付けていて、扱う大会は年間千を大きく超えます。moshicomやスポーツエントリーを使う大会もあります。押さえておきたいのは「抽選」「先着」「定員」「制限時間」の4つ。人気の先着順の大会は、受付開始から数時間で埋まることもあります。
東京マラソンは独自のエントリーです。一般枠の抽選は翌年3月の大会に向けて夏の終わりごろに受け付け、近年の当選率はおよそ10人に1人です。ほかにチャリティ枠(寄付が必要)、海外在住ランナー向けの有料会員枠、公式ツアーがあります。当選したら、大会前の数日間に東京ビッグサイトのEXPOで、写真付き身分証を持って本人がナンバーカードを受け取ります。大会当日の受け取りはありません。
- RUNNETのアカウントはエントリー開始前に作っておきましょう。人気大会は最初の数分が勝負です。
- 申し込む前に制限時間と関門を確認しましょう。厳しく運用する大会もあります。
皇居ランの基本
皇居の周回コースは1周約5km。信号がなく高低差もゆるやかで、東京でいちばん人気のランニングコースです。反時計回りで左側を走るのが慣例です。歩道は歩行者や観光客と共用なので、狭い場所では一列になり、追い越すときは「すみません」と声をかけましょう。混むのは平日の仕事帰りの時間帯で、早朝は落ち着いています。コース沿いには水飲み場とトイレがあります。
半蔵門のJOGLISをはじめ、麹町や永田町の近くにもランナーズステーションがあり、有料でロッカーとシャワーを使えます。シューズやウェアを借りられるところもあるので、仕事帰りに手ぶらで寄れます。2013年からは土日祝日に20人以上で走る競技会などに「地域ルール」が適用されていて、皇居での大人数のイベントは限られています。それでも、長く続くUP RUNシリーズのような小規模な計測付きレースは定期的に開かれています。
ほかに走りやすいコースとしては、木陰の多い駒沢オリンピック公園の2.1km周回、秋にイチョウが色づく明治神宮外苑の約1.3km周回、浅草から月島まで橋を眺めながら約9km走れる隅田川沿いがあります。
- 夏は朝7時前か日没後に走り、水を持ちましょう。7月と8月は熱中症に要注意です。
トレイルランニング:高尾と奥多摩
高尾山は新宿から京王線で約1時間と気軽に行ける山で、登山道もよく整備されています。一方で世界有数の登山者数を誇る山でもあり、週末や紅葉シーズンは主要な道がハイカーでいっぱいになります。できれば平日に走り、人を追い越すときは歩き、狭い区間ではハイカーに道を譲りましょう。
さらに西の奥多摩は距離が長く険しい道が多く、ハセツネCUPの舞台でもあります。この山域にはツキノワグマが生息していて、近年は東京都が目撃情報マップ「TOKYOくまっぷ」を公開し、クマの被害を受けて閉鎖された登山道もあります。出発前に確認し、熊鈴を付け、早朝や夕方の単独行は避けましょう。ヘッドランプ、多めの水、帰りの最終バスや電車の時刻も忘れずに。
- 長い距離を走る前に、奥多摩町や東京都の登山道閉鎖情報を確認しましょう。
- トレイルレースの多くはヘッドランプやレインウェア、エマージェンシーシートなどの必携品があります。必ずリストを確認。
大きな大会を観戦する
東京マラソンの観戦は無料です。雷門近くの浅草や銀座の長い直線は特に人が多く、コース沿いの道路は何時間も通行止めになるので、コースを横切るには時間がかかります。応援ボードを持って早めに場所を確保し、ゼッケンやシャツに名前のあるランナーには名前で声援を送りましょう。
日本でいちばん観戦されるレースが箱根駅伝です。1月2日に関東の大学チームが大手町の読売新聞社前から箱根・芦ノ湖まで走り、3日に戻ってきます。沿道には100万人を超える人が集まり、テレビでも何百万人もの人が見守ります。柵の内側に立ち、車道に出たり選手と並走したりせず、犬のリードは短く持ち、ごみは持ち帰りましょう。寒い中で長く待つので、暖かい服装で。
- 大手町のスタート地点はスタートのかなり前から混みます。少し先の沿道のほうが見やすいです。
- 選手は数秒で通り過ぎます。中継や大会アプリで通過時刻の目安を確認しましょう。