ラーメンの種類と注文の決まりごと
東京の基本は醤油ラーメンです。鶏ガラと豚の澄んだスープに醤油ダレ、細い縮れ麺という組み合わせです。JR中央線の荻窪は、煮干しや鰹節の魚介だしを使う昔ながらの一杯で知られます。塩ラーメンはもっとも軽く、だしの力がそのまま味になります。札幌発の味噌ラーメンはこってりしていて、炒めた野菜がのることも多いです。九州の豚骨ラーメンは、クリーミーなスープに細いストレート麺です。
独自のルールがあるのは次の三つです。太麺を濃いつけ汁で食べるつけ麺は、1955年に山岸一雄さんが出したのが始まりとされ、豚骨魚介の濃厚な形を広めたのが六厘舎です。食べ終わったら「スープ割り」でつけ汁を割って飲めます。家系は1974年創業の横浜「吉村家」が源流で、豚骨醤油に鶏油、ほうれん草と海苔。ライスと一緒に食べる人も多く、麺の硬さ、味の濃さ、油の量を聞かれます。二郎系は三田本店で知られるラーメン二郎の流れで、太麺に山盛りのもやしとキャベツ、にんにくと背脂。提供直前にトッピングを聞かれ、その答えが「コール」です。
- 家系の好みは「硬め・濃いめ・多め」などで伝えます。分からなければ全部「普通」で大丈夫です。
- 二郎系の無料トッピングはヤサイ、ニンニク、アブラ、カラメの四つ。「ニンニク」だけ答えても問題ありません。
- 二郎系は小でもかなりの量です。初回は小にしましょう。大量に残すのは嫌がられます。
食券機の使い方
ラーメン店の多くは入口の食券機で注文します。ボタンにはメニュー名、店によっては写真があり、左上がその店の看板メニューであることがよくあります。トッピングや大盛り、替玉は別のボタンです。古い機械は現金のみで、千円札しか使えないものもあり、2024年7月に発行された新紙幣にまだ対応していない機械も一部あります。新しい機械には読み取り部があり、Suicaなどの交通系ICやQR決済で払えます。
食券機のない店では席で注文し、帰りに会計します。一蘭のような店では、味の濃さやにんにく、麺の硬さを用紙に記入し、英語の用紙も用意されていることが多いです。
- 1. 先にお金を入れます。金額が足りるとボタンが点灯します。
- 2. メニュー、トッピングの順に押し、最後に「おつり」のボタンやレバーで釣り銭を受け取ります。
- 3. 食券は店員に渡すか、席に着いたらカウンターに置きます。麺の硬さはこの時に聞かれます。
- 4. 迷ったら後ろの人に先を譲り、「おすすめはどれですか」と聞けば大丈夫です。
行列とカウンターのマナー
行列も東京のラーメンの一部ですが、食べたらすぐ席を立つので回転は速いです。列の最後尾に並び、まだ来ていない友人の場所取りはしません。並ぶ前に食券を買う店もあるので、前の人が食券を持っているか見ておくと安心です。席は空いた順に案内されるため、三人連れでもカウンターでばらばらになることがあります。整理券や時間指定の予約制の人気店もあり、方法は入口に掲示されています。
カウンターでは水がセルフサービスのことが多いです。すするのは普通で、麺を冷ます役目もあります。熱いうちに食べ、待っている人がいればスマホは手短に、食べ終わったら席を立ちましょう。丼をカウンターの上段に上げ、台を拭いてから帰る店も多く、「ごちそうさま」の一言は喜ばれます。基本は一人一杯です。
- 混むのは12時から13時、18時から20時ごろ。午後の中途半端な時間や開店直後は比較的すいています。
- 「スープ切れ」の貼り紙はその日の営業終了の合図です。人気店は早めに行きましょう。
- 大きな荷物はコインロッカーへ。カウンターは狭く、足元に置く場所はほとんどありません。
最初に行くなら:ラーメンストリートと激戦区
いちばん入りやすいのは、東京駅一番街の地下、八重洲側の改札を出てすぐの東京ラーメンストリートです。8店が並び、六厘舎のつけ麺、ひるがおの塩、花道庵の味噌、革新家TOKYOの家系、俺式 純の豚骨、玉の煮干しと、主な種類がほぼそろいます。昼と夜は長い列ができますが午後は短めで、改札外なので乗車券は要りません。
その先は好きな種類や街で選びましょう。高田馬場、池袋、新宿は有名店が歩ける範囲に集まる激戦区で、昔ながらの醤油なら荻窪です。歌舞伎町の大久保公園では、出店が入れ替わるラーメン・つけ麺イベントが長く続いています。半日あるなら、新横浜駅から徒歩約5分の新横浜ラーメン博物館へ。1958年の街並みを再現した館内に全国の名店7店が入り、入場料を払ってから店ごとに注文します。
- 現在の出店は東京ラーメンストリートの公式ページで確認できます。数年ごとに入れ替わります。
- 大きな駅のラーメン店は朝早くから夜遅くまで開いていることが多く、到着が遅れた日の強い味方です。
ヴィーガン、ミシュラン、ラーメンフェス
ラーメンのスープはほぼすべて豚、鶏、魚介のいずれかを使っていて、澄んだスープも例外ではありません。チャーシューやナルトも定番です。ヴィーガンなら、グランスタ東京のT’sたんたんが動物性食材を一切使わないごまの担々麺を出していて、改札外にあります。東京ラーメンストリートの「そらのいろNIPPON」にもヴィーガンやグルテンフリーのメニューがあります。それ以外の店では、魚のだしやラードが入っていないか注文前に確認しましょう。
ミシュランガイド東京では、ラーメン店は主にビブグルマン(手頃な価格で質の高い料理)での掲載です。2015年に「蔦」がラーメン店で初めて星を獲得しましたが、2024年版の時点で星を持つ都内の店はありません。地元の人が見るのは食べログで、高い点数はまず行列の目安です。
ラーメンフェスは全国の店が数日間ひとつの公園に集まるイベントです。最大級の東京ラーメンフェスタは、長年10月下旬から11月上旬に駒沢オリンピック公園で開かれてきました。入場無料で、一杯ごとにラーメンチケットを買う方式、前売り券はコンビニで販売されたこともあり、雨天決行です。2026年が駒沢での最後の開催と案内した情報もあるので、今後の会場は公式サイトで確認してください。ほかの季節は大久保公園のイベントや中野などの小さなフェスがあります。
- 外国人の友人には「肉と魚は食べられません」と書いたメモを見せてもらうと、忙しい店でも伝わりやすいです。
- 自分で作ってみたい人には、都内でスープや麺、トッピングを数時間で学べるラーメン教室もあります。