ひとりが普通な街
日本の世帯の3分の1以上は単身世帯で、街もそれに合わせてできています。ラーメン店や居酒屋にはひとり客が並ぶカウンターがあり、一蘭は木の仕切りがついた個別の席、ワンカラはひとり用のカラオケルームを用意しています。ひとりで食べたり飲んだり公演を見たりしていても誰も気にしませんし、店員に連れを待っているのか聞かれることもありません。
「おひとりさま」には少し強がりのような響きがあった時代もありましたが、いまではすっかり普通の言葉です。「おひとりさま歓迎」を掲げる店やひとり向けの宿泊プランも珍しくありません。ひとりで出かけるのに気後れしたことがあるなら、東京はそれを手放すのにちょうどいい場所です。
- 海外の友人には「何名様ですか」と聞かれたら指を1本立てればいいと教えてあげましょう。
- カウンター席はひとり客の席。店主や板前さんと話しやすい席でもあります。
ライブ、ライブハウス、舞台をひとりで
ひとりでライブに行くのは日本ではまったく普通で、ライブハウスによっては観客の多くがひとりで来ています。スタンディングの公演はチケットの整理番号順に入場し、多くのライブハウスではチケット代とは別に入口でドリンク代を払い、バーで1杯と交換します。指定席のコンサートや舞台、大相撲では、2枚並びより1枚のほうが見つかりやすいことが多く、人気アーティストの抽選では同行者の名前や情報まで登録が必要な場合もあるので、1枚なら手続きもシンプルです。
同じアーティストのファン同士が開演前や終演後、物販の列で話し始めることもよくあります。舞台やクラシックのコンサートでは静かに見るのがマナーで、おしゃべりやスマホは控え、拍手は最後に。どの場面でも、ひとりだからといって浮くことはありません。
お祭り、マーケット、展覧会をひとりで
最初の一歩なら昼のイベントがいちばん気軽です。お祭りでは神輿を眺め、屋台をいくつかのぞいて、好きなときに帰れます。何人で来たかなんて誰も見ていません。フリーマーケットや手づくり市は自分のペースで見て回るためのような場所で、出店者も品物の話をするのが好きな人が多いです。美術館や展覧会はむしろひとりのほうが向いているかもしれません。自分の速さで歩き、気になる作品の前に好きなだけいられます。
夜なら、立ち飲みやカウンターのある小さな居酒屋がひとりでも落ち着ける場所です。お祭りのビアガーデンや盆踊りの輪にも入りやすく、踊りは同じ振りの繰り返しなので、周りの人が喜んで教えてくれます。茶道や書道、料理教室などの体験も、少人数のグループと先生で過ごすので、ひとり参加に向いています。
誰かと話したいときに
人と知り合いたいなら、そのためのイベントも東京にはたくさんあります。日本人と外国人が飲みながら会話を交換する言語交換の集まりは、都内のバーやカフェで開かれています。MeetupやPeatixにはハイキングやボードゲーム、写真散歩などのコミュニティイベントが並び、渋谷周辺では英語のテック系ミートアップもよく開かれています。質はまちまちなので、申し込む前に説明文や過去の写真、評判を確かめ、公共の場所で開かれるものを選びましょう。
ボランティアも入り口のひとつです。大きなイベントは公式サイトで数か月前からボランティアを募集します。たとえば東京マラソンには「VOLUNTAINER」というボランティアクラブがあり、海外在住者を英語で活動するグローバルボランティアとして受け入れてきました。地域の小さなお祭りは地元の人が支えていることが多いので、まずは見に行くところから始めるのが自然です。
- 初めての集まりは開始時間に着くと、みんなまだ初対面なので輪に入りやすいです。
- 予約制の無料イベントは少人数なことが多く、話しやすい雰囲気になりがちです。
安全に、心地よく
東京はひとりで夜に出歩いてもとても安全な街ですが、大都市での基本的な注意はほかの街と同じです。歌舞伎町や六本木などの繁華街では客引きに応じず、勧められた店について行かないこと。飲み物から目を離さないこと。多くの路線では朝夕のラッシュ時に女性専用車両があり、ホームに表示があります。ホステルやカプセルホテルには女性専用フロアを設けているところも多いです。
遅いイベントの前には終電を確認し、予定を誰かに伝え、スマホの充電を残しておきましょう。困ったときは交番へ行くか、警察は110番、救急は119番へ。海外から来た人なら、24時間英語で対応する「Japan Visitor Hotline」(050-3816-2787)や、地震や気象の警報を多言語で知らせる観光庁の「Safety tips」アプリも役立ちます。