どんな博物館か
1993年に開館した、東京都の歴史博物館です。菊竹清訓が設計した建物は、高床式の倉をイメージした巨大な箱を4本の脚で持ち上げた形で、高さは約62メートルあります。収蔵品は約35万点にのぼり、浮世絵や着物から火消しの半纏、暮らしの道具まで幅広くそろっています。
2022年に開館以来はじめての大規模改修のため休館し、屋根や空調、館内設備が新しくなりました。館内外の空間デザインは建築家の重松象平さんが監修し、1階のアプローチには鳥居をモチーフにしたオブジェ、3階の広場には収蔵品を使った大型映像が加わりました。常設展示室は5階と6階の約9,000平方メートルで、江戸ゾーンと東京ゾーンに分かれています。
常設展の見どころ
見学は実物大の日本橋を渡るところから始まります。復元されているのは北側の半分ですが、幅と高さは原寸で、19世紀初めの記録をもとにつくられています。橋の上からは江戸ゾーンを見下ろせます。江戸城の本丸・二の丸御殿の縮尺模型、大名屋敷や町人地の模型、中に入れる実物大の長屋が並びます。
その先には原寸大の芝居小屋・中村座があり、リニューアル後は中にも入れるようになりました。朝顔売りや天麩羅の屋台も新たに加わり、神田明神の山車の原寸模型や、約1,500体の人形で両国橋のにぎわいを再現した模型もあります。東京ゾーンは明治の銀座煉瓦街や鹿鳴館の模型に続き、新設の原寸大・服部時計店(いまの和光)が目を引きます。関東大震災、戦後の復興、1960年代の団地の一室まで、時代を順にたどれます。
音声ガイドは無料で、展示のQRコードから自分のスマートフォンで聞けます。多言語に対応し、展示ごとにタブレットの多言語解説もあります。イヤホンを持っていきましょう。
- まず日本橋の上から全体を見下ろしてから、江戸ゾーンのフロアを歩くと模型の配置がよくわかります。
- 金曜日には無料の展示解説が行われることが多く、5階の日本橋の下に集合します。
博物館と両国の一年
1階の特別展示室では年に数回、企画展が入れ替わります。観覧券は常設展とは別です。リニューアル記念の特別展では、収蔵品から歌舞伎や相撲、北斎・歌麿・写楽の浮世絵などが紹介されました。土曜日は夜まで開館しており、ほかにも夜間開館の日が設けられることがあります。開館カレンダーで確認しましょう。
両国の一年は相撲とともにあります。隣の国技館では1月、5月、9月に大相撲の東京場所が開かれ、その15日間は浴衣姿の力士やファンが街を行き交います。江戸時代の両国の川開き花火を起源とする隅田川花火大会は、いまは少し上流の浅草寄りで7月最終土曜日に開かれます。年末年始は休館です。
チケット、混雑、観覧ルール
常設展の予約は不要です。当日に1階のチケット売り場で買うか(現金、交通系ICカード、クレジットカードなどが使えます)、事前にWebで購入できます。中学生以下は無料で、毎月第3水曜日のシルバーデーは65歳以上の常設展観覧が無料になります。
休館日は月曜日で、祝日の場合は翌平日が休みです。江戸と東京の両ゾーンを見るなら2〜3時間はみておくと安心です。週末より平日の午前のほうが落ち着いて見られることが多く、大相撲の開催日は夕方の両国駅が混み合います。
常設展示室は原則として撮影でき、個人で楽しむための撮影に限られます。フラッシュは許可された場所以外では使えず、三脚、一脚、自撮り棒、ジンバルなどは使用できません。特別展の撮影ルールは展覧会ごとに異なります。大きな荷物は1階のロッカーへ。
- 開館時間や夜間開館は時期によって変わるので、出かける前に公式サイトのカレンダーを確認しましょう。
- 飲食は指定の場所のみです。館内の和ダイニングでは蕎麦や天ぷら、寿司が味わえます。
アクセスと周辺の楽しみ
JR総武線の両国駅西口から徒歩約3分、都営大江戸線の両国駅ならA3・A4出口を出ると目の前が博物館です。
すぐ隣の国技館には相撲博物館があり、本場所のない平日は無料で見学できます(本場所中は観覧券を持つ人のみ)。国技館の先には池を囲む回遊式の旧安田庭園があり、敷地内には刀剣博物館もあります。すみだ北斎美術館へも歩いて行ける距離で、お昼は、力士の食事として知られるちゃんこ鍋を両国で味わうのもおすすめです。浅草や東京スカイツリーへも電車ですぐです。
- 平日なら博物館と相撲博物館の両方が開いていて、街も静かです。
- 本場所の日は、朝に国技館のまわりを歩くと力士の場所入りが見られます。