春と秋、いつ行くか
春バラは4月下旬に咲き始め、5月上旬から中旬に見頃を迎え、6月まで続きます。四季咲きの品種は6月中旬に二番花も咲かせます。たとえば2026年の旧古河庭園では、4月28日に23種類、5月11日には約100種類が開花していました。秋バラは10月に咲き始め、10月中旬から下旬、11月上旬にかけてが見頃です。夏の終わりに剪定して秋にもう一度咲かせるため、花数は少なく小ぶりですが、色は深く、涼しい気候で花持ちがよく、香りも強くなりがちです。
香りがいちばん強いのは晴れた日の朝、暑くなる前です。そのため見頃の週末に8時から早朝開園する庭園がいくつもあります。朝はいちばん空いている時間でもあり、5月の週末の昼には人気の庭園の細い通路は混み合います。写真なら夕方の光もきれいです。秋には、花が終わったあとの野生種やオールドローズの花壇でローズヒップも見られます。
- 多くの庭園がシーズン中は数日おきに開花状況を発信し、開花している品種数も載せています。時期を決めるいちばんの手がかりです。
旧古河庭園
北区の旧古河庭園は、洋館を背景にした景色で、都内でもとりわけ写真に撮られることの多いバラ園です。斜面の上には英国人建築家ジョサイア・コンドル最晩年の作で1917年完成の石造りの洋館が建ち、その下のフランス式とイタリア式を合わせた洋風庭園に約100種200株のバラが咲きます。さらに下には京都の庭師、七代目小川治兵衛による池と滝のある日本庭園があり、全体が国の名勝です。JR京浜東北線の上中里駅、南北線の西ケ原駅から徒歩7分、JR駒込駅から12分です。
「春のバラフェスティバル」は4月下旬から6月末まで、音楽会やバラグッズとジェラートを売るローズガーデンマーケットがあります。「秋のバラフェスティバル」は10月から11月上旬で、その後12月上旬まで紅葉とバラを合わせたイベントが続きます。毎年春には来園者による人気投票があり、淡いピンクの品種「シンデレラ」が2025年、2026年と連覇しました。5月の見頃の週末には8時開園の日もあります。入園料は150円(2026年)で、2026年8月から日付指定のオンライン入園券も導入されましたが、窓口での販売も続いています。洋館は大谷美術館の管理で、入館料や見学方法は別です。
- 敷物の利用、酒類の持ち込み、ペット連れは不可で、コスプレや小道具を使った撮影は一年を通してお断りです。
- 2026年は4月中旬から7月上旬、9月から12月上旬まで、三脚、一脚、自撮り棒を使った撮影が禁止されました。
- 駒込の六義園(徒歩約15分)との共通入園券「園結びチケット」は400円です(2026年)。
神代植物公園
調布市の神代植物公園のばら園は都内最大規模で、約400品種5,200株のバラがあります。中心は大温室の前に広がる左右対称の沈床式庭園で、中央に噴水があり、「世界バラ会連合優秀庭園賞」を受賞しています。園名を冠した「クィーン・オブ・神代」、ロサンゼルスから贈られた日米友好のバラ、育種家の鈴木省三氏のコレクションをもとにした野生種・オールドローズ園も見どころです。春は5月中旬ごろ、秋は10月中旬からが見頃です。
春と秋の「バラフェスタ」期間中は、一部の週末に8時から早朝開園し、ばらコンサートや無料のガイドツアー、バラのソフトクリームを出すテラスのカフェがあり、日によってはバラの切り花の販売もあります。入園料は500円(2026年)、ふだんは月曜休園で、ペット連れは入れません。近くに駅はないので、調布、つつじヶ丘、三鷹、吉祥寺の各駅からバスで向かいます。深大寺門を出てすぐの深大寺のまわりにはそば屋が並び、半日の散策にちょうどよい組み合わせです。
新宿御苑、日比谷公園と生田緑地ばら苑の閉苑
新宿御苑のフランス式整形庭園には、プラタナス並木のあいだに左右対称のバラ花壇があり、御苑のパンフレットによると約100種500株、5月中旬から下旬と10月下旬が見頃です。大木戸門から徒歩約5分です。通常の入園料が必要で、酒類は持ち込めません。日比谷公園でも春と秋にバラが咲き、無料で見られるので、銀座や皇居の散策の途中に立ち寄れます。
以前の情報を見て出かける場合は、注意が必要です。春と秋だけ公開され、ボランティアが手入れしてきた川崎市の生田緑地ばら苑は、2025年秋の公開を最後に、再整備の計画のため当面閉苑となりました。再開時期は発表されておらず、2026年春も公開されませんでした。
バラの街、横浜
バラは横浜市の花で、港のまわりにはバラの名所が集まっています。山手の港の見える丘公園には「香りの庭」や、旧英国総領事公邸のイギリス館前の「イングリッシュローズの庭」など、テーマの違うバラ園が3つあり、港の眺めも楽しめます。みなとみらい線の元町・中華街駅から坂を上ってすぐです。海沿いの山下公園には約160品種1,900株の「未来のバラ園」があります。どちらも無料です。春は市の「横浜ローズウィーク」(2026年は5月上旬から6月上旬)があり、これらの公園や山手西洋館などをバラの街歩きでつなぎ、秋には「山手ローズウィーク」も開かれます。
横浜駅に近い民間の横浜イングリッシュガーデンは、草花と組み合わせた約2,200品種のバラがあり、2026年も通常どおり営業し、春のローズ・フェスティバルも秋の公開も例年どおりでした。入園料は季節と開花状況で変わり、大人700円から1,800円です(2026年)。相鉄線の平沼橋駅から徒歩10分、または横浜駅西口から無料送迎バス(水曜運休)があります。園内での飲食はできず、ガーデン内にトイレはありません。三脚は早朝プレミアム開園のときだけ使え、ペットは14時以降にキャリーやカートに入れた状態でのみ入れます。なお、2027年3月から9月下旬まで、横浜で国際園芸博覧会「GREEN×EXPO 2027」が開かれます。
千葉の京成バラ園と谷津バラ園
八千代市の京成バラ園はバラの育種と苗の会社が運営する庭園で、自社の新品種を含む約1,600品種1万株が広い庭に植えられています。見頃の週末は8時から早朝開園します。入園料は季節で変わり、食べ物の持ち込み(飲み物は可)、レジャーシート、ペットは不可で(愛犬と入れる特別な日を除く)、春の見頃には三脚の使用も制限されます。隣のガーデンセンターは首都圏でバラ苗を買うならいちばんの店のひとつで、電車で来た人には無料で簡易包装してくれます。東京メトロ東西線から直通する東葉高速鉄道の八千代緑が丘駅から徒歩15分、またはバスで約5分です。
習志野市の谷津バラ園は市営のバラ園で、約800品種7,500株、香りのタイプ別に分けた香りの庭や60メートルのパーゴラがあり、京成本線の谷津駅から徒歩7分です。5月、6月、10月、11月は月曜も開園し、この時期の大人の入園料は800円です(2026年)。隣の谷津干潟は保護された湿地で、春と秋には渡り鳥のシギやチドリが立ち寄ります。