電車と駅
都心の駅のほとんどには、地上からホームまで段差なしで移動できるルートが少なくとも1つあります。都営地下鉄は全駅でエレベーターの設置を終えており、東京メトロも駅ごとのページで段差のないルートとエレベーターの位置を案内しています。改札には幅の広い通路が少なくとも1つあり(都営地下鉄では改札の各列に設置)、たいてい駅員のいる窓口の近くです。エレベーターが一部の出口にしかなかったり、長いホームの端にあったりすることもあるので、大きなイベントの前には事業者のサイトで駅の構内図を見て、使う出口を確かめておきましょう。
車いすで乗車するときは、改札の駅員に行き先を伝えます。駅員が携帯スロープを持ってきて乗車を手伝い、到着駅や乗り換え駅に連絡して、スロープを持って待っていてもらえます。無料で予約もいりませんが、準備に数分かかることがあり、JR東日本も時間に余裕をもって来るよう案内しています。車両には車いすやベビーカーのためのスペースがあり、床とホームに表示があります。平日の朝夕のラッシュはかなり厳しいので、できればその時間を避けましょう。
- 降りる駅と、わかれば乗る号車をはっきり伝えましょう。到着駅でスロープを用意してもらえます。
- 大きなイベントのあとは最寄り駅が大混雑します。30分から1時間待つか、隣の駅まで移動したほうが楽なことも多いです。
- JR東日本の列車に乗れる車いすの大きさは、幅約70cm、長さ約120cmまでです。大型の電動車いすは事前に確認を。
トイレ、優先席、ヘルプマーク
車いすで使えるトイレは、駅、百貨店、商業施設、美術館や博物館、大きな公園などで簡単に見つかります。表示は多機能トイレ、だれでもトイレ、バリアフリートイレなどさまざまですが、どれも車いすのマークが目印です。手すり、おむつ交換台、オストメイト対応の設備が付いていることも多くあります。いろいろな人が使うため、混む時間帯は待つこともあります。屋外イベントの仮設トイレは大半が一般的なタイプで、車いす対応は少ないので、近くの駅や百貨店を使うほうが確実です。
ヘルプマークは、赤地に白い十字とハートが描かれたタグです。東京都が2012年に作成し、今では全国で使われています。義足や人工関節、内部障がい、妊娠初期など、外見からはわかりにくくても援助や配慮を必要としている人がかばんに付けています。都内では都営地下鉄の各駅の駅務室などで配布されています。見かけたら、電車で席を譲ったり、困っていないか声をかけたりするのが望ましいとされています。優先席は車両の端の近くにあります。
コンサート、スタジアム、劇場、美術館
大きな会場には車いすスペースがありますが、通常の購入画面で選べることはあまりありません。チケットを買ったあと、チケットサイトや主催者を通じて車いす席を申し込む流れが一般的で、公演前に締め切りがあり、希望者が多いと抽選になることもあります。イベントのチケットページで「車いす席」や「障がい者席」の案内を探しましょう。同席できる付き添いは1名までのことが多く、ほかの同行者は自分の席で観覧します。当日に手帳などの提示を求められることもあり、車いすの貸し出しはないことが多いので、自分のものを持参します。たとえば両国国技館の大相撲では、車いす席は専用の電話窓口で事前に予約する仕組みです。
美術館や博物館の多くは、障害者手帳を持つ人と付き添い1、2名の入館料を無料にしています。海外の証明書が使えるかは館によって違うので、窓口かメールで事前に確認しましょう。映画や一部の舞台では、UDCastアプリで音声ガイドや字幕をスマホで利用できます。作品ごとのデータを事前にダウンロードしておきましょう。字幕タブレットや台本の貸し出しを特定の公演で行う劇場もあり、公演ページで案内されています。一日だけ車いすが必要なときは、バスタ新宿の東京観光情報センターで借りられます。
- チケットを手に入れたら、すぐに車いす席を申し込みましょう。締め切りが公演の数週間前のこともあります。
- 問い合わせには公演日、チケット番号、車いすの幅を書いておくとやりとりが早く済みます。
- 2024年4月から、事業者による合理的配慮の提供が法律で義務化されました。イベントの主催者にも、必要な配慮は遠慮なく相談しましょう。
祭り、花火大会、人混み
東京のイベントのなかで一番ハードルが高いのが、祭りと花火大会です。神社の祭りは細い道や砂利の境内が人で埋まり、大きな花火大会では交通規制がかかって、帰りは警察の誘導でゆっくり一方通行で駅へ向かうことになります。大規模な花火大会のなかには、車いす観覧エリアを設けているところもあります。ある場合は公式ページに載っていますが、スペースは限られ、事前申し込みが必要なこともあります。
一番効くのは時間帯の工夫です。数日続く祭りなら初日や早い時間に行き、パレードはルートの始まりに近い広めの通りで見て、最後の演目の前に引き上げましょう。浅草寺や明治神宮などの大きな寺社は段差の少ないルートを整えていますが、長い砂利道は手動の車いすだとかなり重く感じます。音や光に敏感な人は、太鼓や花火には耳栓やノイズキャンセリングのヘッドホンがあると安心です。美術館や会期の長い展覧会は、平日の午前中が一番落ち着いています。
- 祭りの昼のプログラムを狙いましょう。昼間のパレードや神事は夜に比べてずっと空いています。
- 気軽に出かけたい日は、代々木公園のイベント広場のような舗装された広い会場のイベントを選ぶと楽です。
補助犬と役に立つ情報源
日本の身体障害者補助犬法は、国内の指定法人が認定した盲導犬、介助犬、聴導犬を対象にしており、店舗や飲食店、ホテル、交通機関は受け入れが求められています。それでも小さな飲食店を中心に、断られる例はまだあります。海外で訓練された犬は自動的には認められず、ペットと同じ扱いになります。国内の認定団体を通じて一時的な証明を受ける道があり、国際盲導犬連盟や国際アシスタンスドッグ協会の加盟団体で訓練された犬が対象です。検疫の手続きがあるため、厚生労働省は渡航の7か月ほど前から準備するよう案内しています。いわゆるエモーショナルサポートアニマルは対象外です。
ブックマークしておくと便利なサイトもあります。東京在住の車いすユーザー、ジョシュ・グリスデールさんが運営するAccessible Japanは、観光地や交通、ホテルを英語で紹介しています。東京都のアクセシブル・ツーリズムのポータルサイト(Accessible Tourism Tokyo)からは、観光バリアフリーガイドやバリアフリーの飲食店ガイドなどにたどれます。WheeLogは、車いすユーザーが段差のないルートや場所を共有する地図アプリです。駅ごとのエレベーターや出口は各事業者のサイトで、イベントのバリアフリー情報は公式ページで確認できます。当サイトの各イベントからも公式ページにリンクしています。