東京国際映画祭とそのほかの映画祭
東京国際映画祭(TIFF)は、例年10月下旬から11月上旬にかけて約10日間開かれます。長く六本木ヒルズをメイン会場としてきましたが、2021年からは日比谷・有楽町・丸の内・銀座エリアに移り、歩いて回れる距離の映画館やホールで上映されています。コンペティション、アジアや日本の作品、アニメ、話題作のプレミアまで幅広く、多くの上映に英語字幕が付きます。上映後には監督やキャストのQ&Aが行われることも多く、通訳が入るのが一般的です。
2000年に始まった東京フィルメックスは、11月下旬に有楽町周辺で開かれ、アジアの作家映画や新しい監督の作品を紹介しています。英語字幕付きの作品も多くあります。6月には、俳優の別所哲也さんが1999年に立ち上げた米国アカデミー賞公認の「ショートショート フィルムフェスティバル & アジア」が、原宿・表参道などで世界の短編映画を上映します。ほかにもドキュメンタリーやアニメーション、各国の映画週間など、小さな映画祭が一年を通して開かれます。
- 映画祭のチケットは開幕の少し前にネットで発売され、ゲスト登壇のある回は数分で売り切れることもあります。
- 当日券や学生券があるかは公式サイトで確認を。東京国際映画祭では近年、学生向けの当日券が用意されています。
アニメの上映と応援上映
アニメ映画では、公開初日などに声優や監督が登壇する舞台挨拶がよく行われ、そのチケットは抽選販売か、すぐに売り切れるのが普通です。入場者特典としてイラストカードや小冊子が配られる作品も多く、週替わりの特典を目当てに何度も足を運ぶファンもいます。
応援上映は、静かに観る映画館の常識をひっくり返す上映スタイルです。キャラクターに声援を送り、歌に合わせて手拍子し、キャラクターカラーのペンライトを振ります。2016年のアニメ映画『KING OF PRISM by PrettyRhythm』で広く知られるようになり、新宿の映画館などが早くから取り入れました。今ではアイドルや音楽、一部の実写作品にも広がっています。発声OKの回もあれば、拍手とペンライトのみの「無発声」の回もあり、クラッカーの使用や通路に立つことはたいてい禁止です。チケットページの注意事項を必ず読みましょう。
映画館のしくみ
日本の映画館は全席指定です。映画館のサイトやアプリ、ロビーの券売機で座席表から席を選んで購入し、多くのチェーンでは数日前から販売が始まります。話題作や週末の夜は埋まりやすいので早めの予約を。上映中は私語をせず、携帯の電源を切り、エンドロールが終わって照明がつくまで席を立たない人がほとんどです。
洋画はたいてい字幕版と吹替版の2種類があるので、購入前に確認しましょう。日本映画に英語字幕が付くことはほとんどなく、映画祭や、TOHOシネマズ 六本木ヒルズなど一部の映画館でときどき行われる特別上映くらいです。ハリウッド作品は、アメリカより数週間から数か月遅れて公開されることもあります。毎月の割引デーを設けているチェーンが多く、12月1日の「映画の日」は料金が安くなります。
大きなスクリーンなら、2019年に開業した池袋のグランドシネマサンシャインへ。そのIMAXレーザーのシアターは、開業当時、常設の商業映画館として国内最大のスクリーンとされました。同じ年には丸の内ピカデリーが都内初のドルビーシネマを開いています。新宿などのシネコンにもIMAXやプレミアムシアターがあり、追加料金がかかります。
- ネットで買えば好きな席を選べます。券売機には英語表示のボタンがあることが多いです。
- 洋画は「字幕」か「吹替」かを購入前にチェック。
ミニシアター
東京のミニシアターは、シネコンではかからないアート系、ドキュメンタリー、旧作、インディーズの日本映画を上映しています。いちばん多いのは渋谷で、円山町のユーロスペースやシアター・イメージフォーラムは、ヨーロッパやアジアの作品、自主映画で長く知られています。下北沢には若い観客に人気の小さな「トリウッド」と、駅前の「K2」があります。高田馬場の早稲田松竹はテーマに沿った2本立てを35mmフィルムで上映することも多く、目黒シネマも週替わりのプログラムを組んでいます。
どこも座席数は少なく、100席に満たない館もあります。番組は1、2週間ごとに替わり、公開初週末には監督のトークが付くことも。窓口販売のみの館もあれば、数日前からネットで買える館もあります。洋画には日本語字幕が付き、日本映画には英語字幕がほとんど付かないのはここでも同じなので、上映ごとに確認しましょう。
野外上映と街の映画スポット
夏から初秋にかけては、芝生や広場での野外上映があちこちで開かれ、多くは無料です。恵比寿ガーデンプレイスではセンター広場でピクニック気分の上映会が行われてきました。10月の「HIBIYA CINEMA FESTIVAL」は、東京国際映画祭の前の数週間、東京ミッドタウン日比谷のステップ広場や日比谷公園で無料上映を行います。敷物と夜用の薄手の上着があると安心です。案内には「雨天決行」「雨天中止」と書かれていることが多く、荒天ならたいてい中止になります。
名作を観るなら、京橋の国立映画アーカイブへ。所蔵する日本映画を上映し、7階の展示室では日本映画の歴史をたどる常設展を開いています。アニメ好きなら、三鷹の森ジブリ美術館の小さな映像展示室「土星座」で、ここでしか観られないオリジナル短編を楽しめます。