アン・ヴェロニカ・ヤンセン展「銀座5丁目4−1」
金曜日, 9月 11, 2026
フォンダシオン エルメスは、ベルギー出身で国際的に活躍するアン・ヴェロニカ・ヤンセンの日本初個展「銀座5丁目4−1」を開催します。1970年代後半から活動を続けるヤンセンは、合板やガラス、コンクリートといったシンプルな素材に加え、1990年代以降は光や音、人工的な霧などの要素も用い、彫刻やインスタレーション、映像、写真など幅広いメディアで表現してきました。ミニマリズムや知覚現象を科学的に探求する「ライト&スペース」などの芸術潮流とも共通点を持ちつつ、ヤンセンの作品は空間そのものにささやかな介入を行い、私たちの知覚に揺さぶりを与えます。2009年にはナタリー・エルジノと脳の知覚や空間認識の仕組みを探る「ブレイン・スペース・ラボラトリー」も設立し、学術的な研究とも連携しています。
本展は、ヤンセンのキャリアを振り返る作品群で構成され、特に1990年代以降の活動に焦点を当てています。会場となるエルメス銀座メゾン・ル フォーラムの住所を展覧会名に冠することで、場所への実験的なまなざしや身体的・感覚的なアプローチを象徴的に表しています。物理的観察から生まれた十点以上の作品を展示。たとえば、拡散する光そのものを扱った「Rose」、儚い瞬間の痕跡をとらえた「Untitled(ブルーグリッター)」、感熱フィルムを用いた「Swings」、作家自身の声を用いる新作「Donut」などが出品されます。これらの作品は空間の特性に挑み、時間や光、空気、雰囲気を操作し、あいまいな境界や知覚のゆらぎを生み出します。
ヤンセンは自らのアプローチについて「コントロールの喪失、物質性の権威からの解放、対象の支配から逃れようとする中に作品を見いだそうとする」と語っています。
これらの作品が放つ洗練された複雑さとともに、私たちの感覚は軽やかさや透明感、流動性に包まれ、空間の中に自分自身が拡散し溶け込むような錯覚を体験できます。
フォンダシオン エルメスは2015年にブリュッセルのラ・ヴェリエールでもヤンセンの展覧会を開催。アーティスト・イン・レジデンス・プログラムでは2014年から2016年にかけてレジデンス作家のメンターも務めました。
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