蜷川実花「はじまりの光」
土曜日, 9月 12, 2026
埼玉県川口市は、蜷川実花の芸術的感性が育まれた場所です。
色鮮やかな映画のポスターや飴の光、鯉の血の鮮烈な赤、街頭の明かり、そして縁日の人混みで出会った幻想的な世界――現実と非現実が入り混じるその体験や記憶が、蜷川の作品世界の土台となっています。
本展は、蜷川の創造性を培った経験や記憶を2つの章でたどります。
第一章では、新作を含む写真作品を展示。およそ30年にわたり撮影された白黒のセルフポートレートは、作家としての原点を示し、アイデンティティや存在を実験的に表現しています。また、親の闘病と別れの時期を記録したシリーズも紹介。日常のかけがえのない美しさや喪失と向き合う心情が写し出され、映像が溢れる時代において、写真表現の本質を問い直します。
第二章では、作家の創作に大きな影響を与えた家族の記憶に焦点を当てます。家族の仕事場の再現や家族によるテキスタイル作品、古い家族写真をもとに制作された新作シリーズなど、よりパーソナルな視点から創作の原点をひもときます。
30年以上にわたり、心を動かす瞬間を捉えることに向き合ってきた蜷川実花の創作活動。本展は、原点である土地で、光や映像、記憶を通じてその創造の源泉に迫ります。
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