岩崎広正+田中嵐「潜在」展
金曜日, 8月 7, 2026
Otherwise Galleryにて、岩崎広正と田中嵐による二人展「潜在」が開催されます。
私たちの周囲にあるものすべてが、長く形を留めているわけではありません。風景を通り過ぎる時間やその場の空気感、生き物の存在は、目に見えるものだけでは捉えきれないものです。絶えず変化しながらも、確かに存在しています。
二人のアーティストは、それら儚い現象の痕跡をどのように留めることができるかを、それぞれ異なる手法で探求しています。
岩崎広正は、昆虫とそれを取り巻く風景の関係に着目。「かつて風景の一部だったものに風景を転写する」シリーズでは、昆虫の生息地の写真をその体にプリントし、環境が形作った命の痕跡と場所の記憶を重ね合わせます。「Landscaper」では、昆虫が木にあけた穴を利用し、自然のピンホールカメラとして風景を撮影。人類より以前から自然界に存在していた写真現象に目を向け、昆虫と風景、場所と時間のつながりを見つめ直します。
田中嵐は、結晶化という自然現象を用います。風景や人物の写真を鉱物溶液に浸し、波の音や被写体の心音など写真と関わる音を流すと、結晶がゆっくり成長していきます。雰囲気や時間の流れ、存在感といった写真だけでは残しきれないものを、自然のプロセスを通して物質化します。結晶は環境に応じて変化し続け、見えるイメージを超えた時間や命の層を静かに想起させます。
両者は写真を起点としながら、それを超えて関係性や痕跡を新たな方法で留めることを試みています。
「潜在」展は「残す」とは何かを問いかけます。変化し続ける世界の中で、残るものと消えゆくもの、その間にある痕跡に目を向け、鑑賞者に思索を促します。
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