ヘソ
土曜日, 8月 8, 2026
私たちの活動は、都市の中にある境界や空白を探すことから始まります。本展も、偶然の会話から「平面作品だけを展示してみたい」という思いから始まりました。では、どこで展示するのか?ギャラリーと決め付けたり、貸しギャラリーを探すのではなく、これまでの屋外とは少し違う場所を探し、都心に位置する赤坂地区区民センターにたどり着きました。
これまでにも、河川敷や橋の下など用途が定まらない場所で、そこに一時的に「場」を立ち上げる活動を続けてきました。「リバーサイド・ポケット」や、「場 -ジャンクション-」(PARCELにて開催)も、その延長上にあります。都市には、物事をまとめる「ヘソ」のような空間だけでなく、陰にできるくぼみやポケットのような場所、使い道が定まらない空間もあります。私たちが惹かれるのは、そうしたくぼみやポケットを探索し、掘り下げる楽しさです。
区民センターは日々地域住民が使用する公共施設ですが、現代美術の展示空間としてはあまり意識されません。その曖昧さこそ、都市に残る「ポケット」のひとつだと感じます。「使えるなら使いたい」― そんな率直な思いも本展の出発点です。
本展は新しい形式を提示しようとするものではありません。都市の中のくぼみやポケットを探り、そのひとつに一時的な「場」を生み出す試みです。展示が終われば、その場所は日常に戻ります。しかし、その短い時間でも作品と人が交差し、ほんの少しでもこの場所が違って見えたなら――その体験自体が、都市のどこかに眠るポケットを掘り起こす楽しみを示しているはずです。
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