映画監督・溝口健二展
火曜日, 8月 11, 2026
溝口健二(1898-1956)は、世界映画史に輝く巨匠です。2026年、没後70年を記念し、国立映画アーカイブで初の本格的な溝口監督展が開催され、その偉業に光が当てられます。
東京生まれの溝口は、若い頃は画家を志しましたが、1920年に日活向島撮影所に入社。1923年に『愛に蘇える日』で監督デビューを果たし、関東大震災を機に京都撮影所に拠点を移して多彩な作品を手がけました。女性を社会の犠牲者としてリアルに描いた『大阪の宿』『祇園の姉妹』(ともに1936年)は頂点の一つです。さらに、芸道を描く大作『残菊物語』(1939年)、壮大なセットを使った『元禄忠臣蔵』(1941-42年)など、日本映画を牽引した名作が続きます。
戦後は『夜の女たち』(1948年)で再起し、『西鶴一代女』(1952年)、『雨月物語』(1953年)、『山椒大夫』(1954年)など古典文学を題材にした傑作がヴェネツィア国際映画祭で三年連続受賞。長回しやトラッキングショット、多くの作品で見せる完璧主義の演出は、日本映画の芸術性を世界に示し、フランス・ヌーヴェルヴァーグやテオ・アンゲロプロス、アンドレイ・タルコフスキーら世界の映画人にも影響を与えました。
本展では、「チーム溝口」で知られる撮影監督・宮川一夫、美術・水谷浩、作曲家・早坂文雄らスタッフの資料も用いながら、生涯の業績や表現技法、世界映画への貢献、演出スタイルを多角的に紹介します。溝口の妥協なき映像美に迫る貴重な機会にご期待ください。
コメント 0
ログイン してコメントを投稿できます。